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イチ推し

時間がたつと味が出る 革製品の魅力発信

◆親子で切り盛り、体験教室も

革素材について意見を交わす永田晴康社長(左)と政司さん=浜松市中区の浜松クラフトで

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 県西部で唯一とされる革素材を扱う専門店が浜松市中区曳馬にある。数十種類の生地を販売し、レザークラフト教室も開催。今年で三十九年目に入り、親子二人三脚で切り盛りする「浜松クラフト」を訪ねた。

◆県西部唯一専門店・浜松クラフト

 ギーン、ギーン。鋭い機械音を響かせつつ、えんじ色の牛革生地が均一にそぎ落とされていく。九月の中旬に開かれたレザークラフト教室。「革すき機を使って、バッグの各パーツの厚さを調整しています」。講師を務める同社の永田晴康社長(36)が教えてくれた。

 教室は初心者、中級者向けの二種類あり、それぞれ二週間に一回のペースで開く。財布などの小物やバッグといった思い思いの作品を作れるのが売り。「自分好みの大きさのバッグができる」「革は時間がたつと味が出る」と参加者たちは制作に夢中だ。晴康さんは「中高年の男女の参加が目立つ」と話す。

 浜松クラフトは一九八一(昭和五十六)年、父の政司さん(66)が始めた。アーチェリーの矢を入れる筒を趣味で作っていたのがきっかけだった。「ほしい材料を気軽に手に入れられるようにしたい」。三十歳前に脱サラし、一から技術を身に付けた。

◆バッグや小物、自分好みに

レザークラフト教室でバッグの作り方を指導

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 レザークラフト人気が高まり、常連客から店の存続を望む声もあり、長男の晴康さんが十二年ほど前に勤め先を退職し、後を継ぐことに。基礎を東京で習いつつ、職人にも師事。沖縄県工芸振興センターで非常勤講師を務めるなどし、昨年に社長に就任した。

 浜松クラフトでは小物作りを体験できるワークショップもあるほか、革製品の修理や販売も行う。変わらぬ人気を誇るのは「浜松まつり」で使うラッパと法被の帯をつなぐラッパホルダーだ。口コミで広まり、十年以上親しまれているという。

 政司さんは現在、会長として県西部の特別支援学校などでレザークラフトの指導に励む。「手作りの良さやものづくりの楽しさを広めたい」

 晴康さんは、鮮やかなピンク色に虎模様の入った「アザレアピンク」などオリジナルカラーの革素材を考案し、業界内で独自色を打ち出そうと試みている。「革は使う人によって色が変わるので面白い。魅力を広めつつ、ネット販売にも力を注ぎ、工房を盛り上げていきたい」と力強く話す。

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古根村進然記者(報道部)

 浜松市出身。丈夫で独特の味わいを生み出す革製品は、興味深い。「自分で作れば、なお愛着が湧く」というレザークラフト教室の生徒たちの言葉に説得力を感じた。まずは小物作りから挑戦してみたい。

 

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