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イチ推し

パラ競技「ボッチャ」に挑戦 頭脳戦、ボールに入魂

白いジャックボールを目標点にボールを投げる参加者ら=浜松市中区の市民協働センターで

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 来年八月二十五日の東京パラリンピック開幕まで一年を切った。正式種目の一つに、前回のリオデジャネイロ大会で日本代表が銀メダルを獲得した「ボッチャ」というスポーツがある。浜松市内で十五年以上にわたって活動する市民クラブ「浜松ボッチャ倶楽部(クラブ)COOL」の練習会に参加し、面白さを体感してきた。

 「簡単に言えば、ボールを使ったカーリングみたいなスポーツだね」。練習会場の浜松市中区の浜松市民協働センターを訪ねると、COOLの創設初期からボランティアとして携わる小杉太一さん(83)がそう教えてくれた。

 氷上を滑らせるストーンの代わりに、重さ三百グラム弱、野球の硬式球より一回り大きい革製のボールを使う。役割の異なる白、赤、青の三種類がある。どれもあまり大きくは弾まず、転がりも緩やかなのが特徴だ。

競技に使うボールを手に持つ斉藤あずささん。公式戦では硬さにもこだわり、戦術によって使い分ける選手もいるという=浜松市中区の市民協働センターで

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 一二・五メートル×六メートルのコートの中で、白色の「ジャックボール」を投げ落とした場所が目標地点となる。これに赤ボール(先攻側)と青ボール(後攻側)を投げたり転がしたりして、どれだけ近づけることができるかを競う。一エンドで六球ずつを投げ合って点数をつけ、四〜六回のエンドの合計で勝敗を決める。

 早速三人ずつのチームに分かれ、ゲームに加わってみた。ジャックボールの投てきの権利は各エンドごとに入れ替わる。「どこに置くかで戦術が変わってくるからね」と小杉さん。わざとジャックボールに強くボールを当て、戦況を変えるプレーもあるとか。とりあえず、コートの手前側に落としてみる。続いて赤ボールを握り、狙いを定めた。方向は良かったが力が入り、白球を越えて転がっていった。

 参加者にこつを尋ねてみた。手のひらを下にして手首のスナップを使い、進行方向に対して逆回転をかけるように投げると安定するという。

ランプを使ってボールを転がす参加者ら=浜松市中区の市民協働センターで

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 障害などにより投てきが難しい人は「ランプ」と呼ばれるスロープを使ってボールを転がす。競技者は介助役に指示を出し、ランプの方向や角度を決める。COOLの落合正美代表は「障害があってもなくても一緒になって楽しめるのがボッチャの魅力」と話した。

 脳性まひで車いすに乗る大学生の斉藤あずささん(24)は、焼津市の自宅からCOOLなど各地の練習会に参加している。「戦術が重要で奥が深い競技。始めるまで重度障害者だけがやるスポーツだと思っていたけど、イメージが変わった。いつかパラリンピックに出たい」と目を輝かせた。

 COOLの練習会は月二回ほど、浜松市民協働センターで開かれている。体験参加の希望など問い合わせはEメール=cool@egaodaisuki.net=へ。

 <ボッチャ> イタリア語で「ボール」の意味。重度脳性麻痺(まひ)者もしくは同程度の四肢重度機能障害者のためにヨーロッパで考案されたスポーツ。1988年のソウル・パラリンピックから正式種目になった。日本代表は、2016年のリオデジャネイロ大会で伊東市出身の杉村英孝選手が主将を務めるチームが初の銀メダルを獲得した。

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酒井大二郎記者(報道部)

 サッカーを中心にスポーツ全般に関心を持つ28歳。今回の練習会で参加したチーム戦では全く役に立てず、雪辱を誓う。アスリートの皆さんを見習って、暑さに負けない体をつくりたい。

 

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