トップ > 静岡 > 地域特集 > イチ推し > 記事一覧 > 2019年の記事一覧 > 記事

ここから本文

イチ推し

カワウソの魅力 仲良し母子に胸キュン

◆浜松市動物園

梅田智彦さんから餌を受け取るエリー(右)とミツグ=浜松市動物園で

写真

 つぶらな瞳。餌を求めて伸びてくる小さな手。「キュイキュイ」と甘える鳴き声。今年初めに東京・池袋の「カワウソカフェ」を訪れ、その愛らしさにとりこになった。会員制交流サイト(SNS)やテレビ番組で人気は広がり、いまや空前のカワウソブーム。浜松市動物園(西区)で、カワウソ担当の飼育員梅田智彦さん(47)にその魅力を聞き、Q&Aでまとめた。

 −市動物園で飼育されているカワウソについて教えてください

 いずれも東南アジアなどに生息するコツメカワウソで、母ミツグ(十一歳)と娘エリー(六歳)、息子プル(同)の一家三匹です。ミツグは母親らしくどっしり、エリーは好奇心旺盛で遊び好き、プルは臆病な性格です。体もよくぷるぷると小刻みに揺れています。

 −なるほど。それでプルっていうんですね

 いや違うんです。エリーとプルの名付け親は私ですが、漫画のキャラクターから採用しました。ミツグは、昔一緒に暮らしていたアヤメ(メス)に、せっせと餌をあげていたので、ミツグ(貢ぐ)になったみたいです。

 −名前もおもしろいですね。カワウソの一日を教えてください

写真

 日によってまちまちでプールで泳いだり、お昼寝したりと気ままです。ゴルフボールをコロコロと転がしたり、寝床の麻袋をかじったりして遊んでもいます。餌には、ワカサギやアジなどをあげています。たまにイベントでプールにドジョウを放ちますが、そのときは頭を働かせて角に追い詰めて、両手で器用につかまえ、がっついています。

 −なるほど。賢いんですね。飼育していて胸がキュンとする瞬間はありますか

 ミツグとエリーは一日に数回、抱き合って毛づくろいしてますね。そんな姿をみると、ほほえましいです。でもかわいいだけじゃなくて、カワウソは鋭い牙を持ち、アゴの力も強いです。そのアゴの強さはなんとエビやカニ、貝の貝殻を割るほど。かまれるとゴム製の長靴にも穴が開いてしまいます。だからこそ興奮させないことに気を配って飼育しています。

◆人気過熱で密輸横行

 国内ではカワウソ人気が過熱する一方で、横行する密輸が表面化している。特に人気のコツメカワウソは、ワシントン条約で国際取引が規制されており、国際自然保護連合(IUCN)が絶滅のおそれが高い「危急種」に分類している。

 世界自然保護基金(WWF)ジャパンの野生生物の取引を監視するグループによると、国内に密輸しようとして、押収されたカワウソは2016年は7匹だったが、17年は32匹に急増した。いずれもタイから輸出された。タイの闇市場では1匹3400円ほどで販売される一方、日本での小売価格は100万円以上で、転売を狙った組織的な密輸とみられる。同グループの浅川陽子さんは「密輸が表面化しているのはごくわずか。流通経路の表示が義務づけられていないのも問題だ」と危機感を募らせる。

 今年1月には、コツメカワウソの幼獣5匹をキャリーケースに隠して羽田空港に持ち込み、無許可で輸入しようとしたとして関税法違反の疑いで男2人が逮捕された。赤ちゃんのうち2匹は死んでおり、別の2匹もすぐに死んだ。同グループによると、密輸の過程で鳴き声を出させないよう、睡眠薬を服用させる手口が多く、幼獣のため、体に与える影響も大きいという。

 浅川さんは「最近のブームはカワウソのかわいらしさばかりが強調されている」と警鐘。「希少な保護されるべき動物であることを認識してほしい」と話す。

写真

角野峻也記者(報道部)

 カワウソの魅力は、やっぱり「キュイキュイ」という甘える鳴き声。飼育員の梅田さんに訳してもらうと、「ごはんちょうだい」みたい。人間も動物も食べることが好きなのは変わらないなあと思った30歳。川崎市出身。記者9年目。

 

この記事を印刷する

中日新聞・北陸中日新聞・日刊県民福井 読者の方は中日新聞プラスで豊富な記事を読めます。

中日新聞しずおかの記事はこちら

新聞購読のご案内

PR情報

地域のニュース
愛知
岐阜
三重
静岡
長野
福井
滋賀
石川
富山
地方選挙

Search | 検索