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イチ推し

ブライダル新戦略 浜松 還暦挙式提案

◆背景に市場縮小

右手小指にリング交換し笑顔の丸山康雄さん、あゆみさん夫妻=浜松市西区で

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 長年連れ添ってきた夫婦が還暦を機にいま一度、自分たちが歩んできた道を見つめ直し、再スタートを切る−。そんなユニークなセレモニーを、浜松市浜北区の企画制作会社「エコレイ」が立案し、各種プランの提案を始めた。絆を深め合う証しに右手小指のリング交換をすることから「ピンキースウェアー」(小指の誓い)と名付けられた。背景には近年のブライダル・マーケットの縮小傾向があるようだが、今春、第一号の式を同市西区のホテルで挙げた丸山康雄さん(60)、あゆみさん(60)=同市南区=に密着した。

 外庭に設けられたチャペルで、タキシードとドレスに着飾った丸山夫妻が、友人ら約四十人の拍手に包まれてゆっくり歩みを進めた。照れ笑いを浮かべながら愛の宣誓文を読み上げ、お互いの右手小指にリングを贈り合った。

 披露宴では、康雄さんからあゆみさんへの再プロポーズや、これまでの夫婦生活で迷惑をかけたエピソードを披露する「ざんげのコーナー」などで盛り上がった。気が置けない友人から、歌のお祝いや、禁句交じりの祝福メッセージを受けるなどして、二時間余りのうたげが幕を下ろした。

坂田江利子社長(右)と打ち合わせをする丸山さん夫妻=浜松市浜北区で

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 康雄さんとあゆみさんは電力会社の元同僚で、十九歳で知り合い、二十一歳で結婚した。しかし、なかなか二人で共にする時間が持てなかった。勤めが一段落した最近、ようやく二人で好きな城郭巡りなどを楽しむ余裕ができた。二人の還暦の記念に写真を撮ろうと思っていたころ、ピンキースウェアーを勧められた。

 康雄さんは「最初は正直迷いもあったが、やってよかった。お互いに、今までどんな人と付き合い、今後も付き合っていくのか知ることができたのはとても意義があった」と語った。

 エコレイの社長、坂田江利子さん(56)は「人生百年の時代だからこそ、仕事や子育てを終え還暦を迎えた夫婦が、今まで以上に寄り添って生きていくためのきっかけにしてほしい」と企画した狙いを説明した。

 しかし、その背景には少子高齢化による婚姻件数の減少が一因として挙げられている。厚生労働省が七日に公表した人口動態統計によると、二〇一八年の一年間に結婚したカップルは、戦後最少の五十八万六千四百三十八組。六年連続で減っており、それに伴って結婚式場業の取扱件数や売上高も減少しているという。

 こうした中で、シニア世代をターゲットに打ち出された新たな戦略。ピンキースウェアーが普及・定着していくかどうか見守っていきたい。坂田さんは「婚姻世代の人口減少などで、伸び悩むブライダル業界の活性化にもつながればうれしい」と付け加え、第二号、第三号のセレモニー開催に力を込めた。

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高柳義久記者(報道部)

 還暦挙式に参列した友人たちは「驚いたが、夫婦が歩んできたストーリーが興味深かった」「いい刺激をもらった」と好意的に受け止めていた。もし自分が勧められたら、やっぱり気恥ずかしさが先に立ってしまうだろうな…。

 

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