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イチ推し

人気SL 撮影のコツ 撮っておき大井川鉄道

◆追い掛けず待ち伏せ 鉄道をあえて引き算

SLの撮影を狙う鉄道写真愛好家ら=島田市川根町で

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 県中部の大井川沿いを走る大井川鉄道は、蒸気機関車(SL)などを撮影する写真愛好家「撮り鉄」に人気だ。「もっとうまく撮りたい」と試行錯誤する人も多いのでは。「大井川鐵道(てつどう)フォトさんぽ」(玄光社)の著書がある鉄道写真家の中井精也さん(51)にコツを聞いた。

 大鉄は金谷(島田市)−千頭(川根本町)の三九・五キロの本線と、千頭−井川(静岡市葵区)の二五・五キロの井川線がある。大井川上流の電源開発と森林資源の輸送のため、一九二五(大正十四)年に創立し、三一(昭和六)年に金谷−千頭が全線開通した。

 戦後SLが姿を消す中で七六年に復活し、観光鉄道として全国に知られるように。二〇一四年からは絵本やアニメの人気キャラクター「きかんしゃトーマス」を再現したSLを運行し、家族連れらに人気が高い。

 十五歳から大鉄を撮り続ける中井さんが「定番」とするのは、川根温泉(島田市川根町)近くの第一橋梁(きょうりょう)付近だ。見晴らしが良く、大井川に架かる鉄橋上を走り抜ける列車を写すことができる。重要なのは構図。初心者は列車を追い掛けるようにカメラを動かしがち。列車が画面中央に来る似たような写真ばかりになってしまう。構図を決め、列車を待ち伏せし、連写するのが上達のコツだという。

 構図は「何に感動したか、何を伝えたいか」を突き詰めて決める。人気の撮影スポットやトーマス号に目が向きがちだが、古い客車、駅舎など昭和の雰囲気を残す大鉄は「動く鉄道博物館」。沿線には桜や紅葉、茶畑の美しい風景もある。中井さんは「定番から離れてみるのもいい」と言う。

 中井さんは自身の写真を「ゆる鉄」と呼ぶ。鉄道だけでなく、沿線の人の営みや自然の美しさ、旅情など心温まる「ゆるい」雰囲気を表現するのが特徴だ。中井さんに著書の表紙を飾った写真を提供してもらった。茶畑を手前に大胆に写し、SLは奥に小さく。沿線ならではの、のどかな風景だ。中井さんは「鉄道写真でありながら、鉄道自体をあえて『引き算』する発想がポイント」と解説する。

 著書ではほかにも、桜のトンネルや森、こいのぼり、草花、街並みなど沿線の風景をうまく取り込んだ写真と撮影場所を紹介している。中井さんは「沿線を散歩しながら、自分だけの感動スポットや被写体を見つけて」とアドバイスする。

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古池康司記者(島田通信局)

 2001年入社。17年3月から島田市と川根本町を担当。鉄道にはマニアというほどの愛情を抱いていないが、2人の子どもをトーマス号に乗せるなど、大井川鉄道には愛着がある。井川線にも乗車したいと願いつつ、果たせないでいる。

 

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