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イチ推し

「笑刻家」自宅にギャラリー ダジャレ木彫り

◆焼津の岩崎さん パロディー作品バラエティー

創作活動に励む岩崎祐司さん。彫っているのは「座敷わらし」ならぬ「座敷わらじ」=焼津市上泉で

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 ダジャレや語呂合わせを木彫り人形でユーモアたっぷりに表現し、彫刻家ならぬ「笑刻(しょうこく)家」を名乗る男性がいる。焼津市上泉の岩崎祐司さん(73)。大人から子どもまで、世代を問わず楽しめるパロディー木彫の魅力に迫った。

 自宅の一角に立つ「ギャラリーくすくす」には、三百点近くが所狭しと並ぶ。少女が苦しげな表情で口から赤い靴を吐き出している「赤い靴吐いてた女の子」に、「田中」と書かれた箱の中にぼた餅が入っている「田中からぼたもち」…。突き抜けた遊び心に、何度も声を上げて笑った。

 岩崎さんの本業は自転車修理業。日曜大工の延長で、三十五歳の時に独学で木彫を始めた。最初の十五年ほどは仏像やピエロを彫っていたが、周囲の反応はいまひとつ。ふざけ半分で彫った作品が、家族や友人に思いのほか面白がられた。

「リョーマの休日」 映画「ローマの休日」をもじって=焼津市上泉で

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 バナナの皮をめくると、トウモロコシの粒が詰まっている「そんなバナナ」。ダジャレになりそうな架空の人名を書きためて楽しむなど、昔から言葉遊びが好きだった。「正統派の木彫より、こちらの方が性に合っている」と笑う。

 作品集を県内各地のギャラリーに配ると、五年ほどたったころに静岡市内の大手デパートから初個展の打診が舞い込んだ。そこから口コミで評判が広がり、美術館や博物館、商業施設などからも声が掛かるように。展示場所は全国で百カ所近くに上り、県外が三分の二を占める。

 作品はクスノキ製で、のみや帯のこぎり、チェーンソーなどを使って彫る。制作期間は小さい作品なら数日、大きい作品なら一カ月半ほどかかる。代表作は、はかま姿の坂本龍馬がスクーターにまたがる「リョーマの休日」。展示期間がかぶっても対応できるように、何体か余分に作ってある人気作品が十数点ある。

「そんなバナナ」 記念すべき1作目=焼津市上泉で

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 「美大出身ですか?」「木彫は誰に教わりましたか?」。個展を開催すると、こんな質問をよく受ける。岩崎さんは「独学だからこそ、枠にはまらず、自由にやってこられた。オンリーワンという自負はありますよ」。

 「ギャラリーくすくす」は火、木、土、日曜に開館しており、入場無料。作品集やストラップなどのグッズも販売している。(問)岩崎さん=080(1613)8364

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佐野周平記者(牧之原通信部)

 取材時、岩崎さんがボロボロになった1枚の紙を見せてくれた。「矢場井 琴(やばいこと)」「和田加 真理(わだかまり)」…。ダジャレになりそうな架空の人名が、何十個もびっしりと書かれていた。パロディー彫刻を始める前から、こんなことをやって楽しんでいたという。言葉遊びへの愛着の深さが伝わってきた。

 

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