トップ > 静岡 > 地域特集 > イチ推し > 記事一覧 > 2019年の記事一覧 > 記事

ここから本文

イチ推し

青年海外協力隊の活躍 経験者に聞く

 いつか世界を変える力になる−。国際協力機構(JICA)の青年海外協力隊は、世界中の途上国で五十年以上支援を続けてきた。隊員はどんな活躍をしてきたのか。経験者に話を聞いた。

◆ガーナで山口さん 感染症の予防啓発

ガーナでの経験を生かし、JICA県デスクで活動する山口実香さん=静岡市駿河区で

写真

 「協力隊には夢がつまっている。自分の可能性が広がる」。JICA県デスクの山口実香さん(30)は、看護師としての経験を生かそうと、二〇一五〜一七年にアフリカのガーナへ派遣された。感染症・エイズ対策として性教育やマラリアなどの予防啓発に携わった。

 現地では、避妊具の使い方を知らなかったり、医療器具を洗わず放置していたりしていた。手洗いとうがいの必要性や、マラリア感染を防ぐため夜は蚊帳の中に入ることなどを伝えた。学校では性教育をし、生徒の前で避妊の仕方や知識を話した。

 「『避妊具はどう使うの』と素直に質問がくる。日本とは全く違う。人の行動や意識を変えるのは大変だし、時間もかかるんだなと感じた」

 たった一人で現状を変えることは難しい。「何を求められているのか、まずは現地の人と同じ目線を持つこと。現地にはきっと『現状を変えたい』と思っている人がいるから、その人たちと協力すると良い影響を与えられると思う」と振り返った。

◆モンゴルで木下さん ごみ分別教える

授業で小学生にごみの分別などを教える木下聡さん=2013年、モンゴル・ウランバートルで

写真

 モンゴルのウランバートルに派遣された隊員もいる。木下聡さん(36)=静岡市葵区=は二十九歳の時、協力隊員になった。遊牧民だった人たちは、都市でもごみをポイ捨てすることがある。木下さんは環境教育担当として「ビニールごみは土にかえらない」「水も汚染される」など、学校でごみの分別方法を教えた。

 学校ではもちろんモンゴル語。子どもたちから質問されたとき、「答えたいけど、言葉が分からず答えられなかったこともある」と言葉の壁を感じた。

 現地の人の協力があまり得られなかった苦い思い出もある。「協力隊員がやってくれるから、自分たちは何もしなくていいと思っている職員がいた。一緒に活動したかっただけに残念だった」と正直な思いを明かした。

 市民の意識を変えられたという成果は実感できなかったが、「授業に呼ばれる回数が増えたし、自分のような先生がいることで、ごみ問題を知ってもらえるきっかけづくりができて良かった」。

 青年海外協力隊などの春募集は四月三日まで。詳しくは公式サイトへ。

写真

福島未来記者(静岡総局)

 宮崎県出身の24歳。中学生の時、途上国の悲惨な現状を撮影した写真に衝撃を受けて国際協力に興味を持つ。支援するより「伝える」ことがしたいと、大学時代に記者を志した。最近は日本でできる支援を探し中。

 

この記事を印刷する

中日新聞・北陸中日新聞・日刊県民福井 読者の方は中日新聞プラスで豊富な記事を読めます。

中日新聞しずおかの記事はこちら

新聞購読のご案内

PR情報

地域のニュース
愛知
岐阜
三重
静岡
長野
福井
滋賀
石川
富山
地方選挙

Search | 検索