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地域がつなぐ仲間たち

チームつながり(静岡市清水区) ごみ拾い活動10周年

景観維持に取り組むチームつながりと伊藤高義代表(前列右から3人目)=静岡市清水区で

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 静岡市清水区のJR清水駅と三保松原で月一回ずつ、アフロのかつらをかぶりながら楽しくごみ拾いをしている。「活動前に全員が夢を発表するのがルールで、人々がつながる場にもなっている」と話すのは代表の伊藤高義さん(43)=清水区。活動が評価され、七月には国土交通省中部地方整備局清水港湾事務所長表彰を受賞し、今月十四日には活動十周年の節目を迎える。

 「君の夢は何?どんな未来をつくりたい?」。きっかけは十一年前。伊藤さんがイベントで知り合ったある映画監督から投げかけられた質問だった。とっさに答えを探す中で浮かんだのは生まれたばかりの長男の顔。「息子が笑顔でいられる社会にしたい」。答えたはよいが、何をしたらいいか自問する日々。自身の幼少期を思い出すと、父親が四十三歳で急死し、泣いてばかりいた母親の姿が脳裏をよぎった。「大人が笑顔になれば、子どもも笑顔になれるはず」。まず始めたのが有志の飲み会だった。

 しかし、しばらくして出費がかさむことに気づいた伊藤さん。早速、無料でできる清水駅前でのごみ拾い活動に方針を転換した。

 初めの一年間の参加者は伊藤さんだけ。その後も数人での活動が続いたが、二〇一三年五月、突然転機が訪れた。当時、富士山の世界遺産の構成資産入りを目指していた三保松原は、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の諮問機関から景観などを理由に除外勧告を受けていた。そこで伊藤さんが三保松原でごみ拾いイベントを開くと約二百人が終結。翌日の新聞に「構成資産諦めない」という大きな見出しが躍った。

 「ここまできたら結果発表日まで毎日やろう」。会員制交流サイト(SNS)を駆使して仲間を募ると、次々と協力者が現れた。迎えた六月二十二日、三保松原は逆転登録に成功。「活動が影響したかは分からないけど継続が無駄じゃないと感じた」。その日から三保松原の景観維持が新たな活動目標に加わった。

 現在も毎年ゴミの日(五月三日)前後に開くイベントには数百人が参加。毎月の活動にも県内外から数十人が集まる。参加すると協賛する町中の飲食店などでサービスが受けられるなど、今では地域を巻き込んだ活動に根ざしており、藤枝や焼津市にも次々と派生団体が誕生している。

 活動をさらに町づくりに生かそうと、伊藤さんは現在、静岡大の一年生として法律を学んでいる。「とにかく活動を継続して人が輝けるきっかけづくりの場にしていきたい」

(五十幡将之)

 

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