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地域がつなぐ仲間たち

島田近代遺産学会 戦争の記憶 次世代に

講座内容について協議する新間雅巳代表(中)ら=島田市栄町で

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 「模擬原爆」を題材にした全八回の講座「明日までつづく物語」を八月まで島田市内で開いている。模擬原爆は一九四五(昭和二十)年七月二十六日、米軍機が原爆投下の練習用に島田市中心部に落とした。

 同市扇町の郷土史家、新間雅巳さん(53)が代表となり、昨年五月に発足した。島田の近現代史を語り継ぐ活動に力を入れる。調べているのは、現在の市中心部にあった旧日本海軍の島田実験所。電磁波を当てて米軍機を撃ち落とす兵器開発「Z研究」を進めていたとされる。

 後にノーベル物理学賞を受賞する朝永振一郎博士が理論的な研究を進めるなど、当時の一線級の科学者が集められた。終戦間際には、北西へ五キロ離れた大井川の岸辺に、牛尾実験所も建設された。

 二〇一五年に大井川の治水工事の一環で、牛尾実験所の電源室のコンクリート基礎などの遺構が取り壊されたのが、発足のきっかけ。市民でも実験所のことを知らない人が多く「このままでは戦争の記憶が風化していく」と、新間さんらは危機感を抱いた。

 海軍の兵器開発の実態や実験所内部の様子、関係者の証言、島田空襲の被害状況…。所属する会員十五人は、それぞれのテーマで調査を続ける。講座で調査結果を公表し、参加市民から新たな情報提供を受けてさらに研究が広がるという好循環を期待している。調査をまとめた書籍を刊行したり、海軍実験所跡地に案内看板を設置したりといった広報活動も考えている。

 八月十五日の市の平和祈念式典に合わせた資料展示の準備も進める。新間さんは「米軍側の資料など、まだまだ知られていない事実があるはず。しっかりと掘り起こし、次世代に伝えていきたい」と話す。

(古池康司)

 

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