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5年がかりで三重塔作製 浜北の鈴木さん

総ひのき造りの三重塔を作った鈴木邦佳さん=浜松市浜北区高畑で

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 浜松市浜北区高畑の鈴木邦佳さん(79)が長年培った大工の技を駆使して、油山寺(袋井市)の三重塔をモデルに、8分の1ほどの縮尺で高さ3メートルの総ひのき造りの三重塔を作製した。試作を繰り返し、5年がかりで仕上げた。自宅作業場にライトアップして設置し、「晩酌の後に眺めるひとときは格別」と楽しんでいる。

 住宅を建てるのが本職だったが、若いころから「いつかは三重塔を」と考えていた。70歳前で引退し、趣味で木製の置き台を作ったり、盆栽の手入れをしたりしていたが、彫刻師の息子から「手間のかかる物を作ってみろ」と言われ発奮した。

 油山寺を選んだのは「屋根や手すりのそりが好みの形」だから。現地に出掛けて写真を撮り、柱の太さと、柱と柱の間隔を測らせてもらった。全高や屋根の広がり具合などは、専門書から寸法を割り出した。

 自宅の作業場で何枚も図面を書き、「失敗したくないから」と屋根を支える垂木などの部品は何度も試作した。手すりの太さを一定にそろえるためのゲージをはじめ、錐(きり)やドリルの穴を真っすぐ開けるための治具も数10種類ほど手作りした。

 一層ごとにある三つの屋根は、いずれも幾枚もの板を重ねている。このうち最下層の板のそりは、熱したり湯を使ったりせずに、削って表現。さらに屋根の正面から先端に向かっては、徐々に厚みが増すように造形した。

 屋根を支える複雑な枡組(ますぐみ)や、上層にいくほど塔身が細くなる容姿は安定感ある仕上がり。内部には真柱や須弥壇(しゅみだん)を支える柱も設けた。

 鈴木さんは68歳でがんを患ったこともあり「生きているうちに完成して良かった」と胸をなで下ろし、「できることなら、金閣寺の模型も作ってみたい」とやる気をみせている。三重塔は公開している。(問)鈴木さん=053(587)0137

(宮沢輝明)

 

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