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求ム!タクシー乗務員 5年で850人減

◆女性向けサイトやラッピングでPR

「ヒーロー、募集。」のキャッチコピーが目立つ遠鉄タクシーのラッピング車両(手前)と路線バス=浜松市中区で

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 タクシー乗務員の採用難が深刻だ。県タクシー協会によると、二〇一三年度末に六千三百八十八人いた県内の乗務員は、一八年度末には五千五百三十五人と約八百五十人も減少。各社は募集をPRするラッピング車を走らせたり、女性向けサイトを開設したりして、人材確保に躍起になっている。

 「合同説明会に参加しても、タクシー会社のブースに来る人はほとんどいない」。半ば諦め気味に窮状を訴えるのは、浜松市内のタクシー会社の採用担当者だ。十年前には二百人を超えた乗務員数が、現在は三割減の約百五十人に。車両一台に昼夜各一人を充てるのが理想だが、圧倒的に人員が足りないという。

 採用難に加え、定年後もパートなどで乗務していた団塊の世代(一九四七〜四九年生まれ)の「完全退職」が増え始め、補充もままならない。「今後はさらに厳しい状況になるだろう」と悲観的だ。

静鉄タクシーが開設した女性ドライバー採用特設サイトの一部。女性の視点に立ったQ&Aが載っている

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 赤いマントをなびかせる乗務員と「ヒーロー、募集。」のキャッチコピー。遠鉄タクシー(浜松市中区)は今月七日から、こんなラッピングを施したタクシー五台と路線バス二台を浜松市などで走らせ始めた。コピーには、高齢化や過疎化で増える移動困難者にとって「ヒーローでありたい」との思いを込めた。

 市内最大手の同社でも、高齢の退職者の増加に採用が追いつかず、乗務員数は減少傾向。丸山晃司社長は「きつい、低賃金などと昔のイメージを持つ人はまだ多い」と指摘。「乗務員が減ると街中を走る車両も減る。結果的にお客さまを待たせる時間が長くなってしまっている」と、既に影響が出ていることを明かす。

 ラッピング車両のほか、乗務員の一日が分かるVR(仮想現実)の動画を制作したり、ホームページを刷新したりして、今回の採用強化にかけた費用は「数百万円」(丸山社長)。一八年度は約四十人だった採用人数を二・五倍の百人にする野心的な目標を立てる。十月には運転業務に就く正社員の定年を、六十四歳から六十五歳に延長した。

 「女性ドライバー採用特設サイト」を本年度から設けたのは静鉄タクシー(静岡市駿河区)。酔っぱらい、乱暴な乗客への対応といった不安や疑問に答えるQ&Aや、先輩ドライバーの一日のスケジュールなどをまとめている。

 同社には現在、十五人の女性ドライバーがいる。採用担当者は、病院の送迎や福祉施設との契約の増加で日中のドライバー需要が増えていることを挙げ、「子育てを終えた女性には働きやすいはず」と売り込む。

(鈴木啓紀)

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