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浜松の氷彫刻家・二橋さん 無償実演30年

◆笑顔と涼 届け続ける

子どもたちの前で氷の彫刻を作る二橋一幸さん=21日、浜松市南区の浜松こども園で

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 世界的に知られる氷の彫刻家、二橋一幸さん(62)=浜松市北区=が障害児療育施設「浜松こども園」(同市南区)で三十年にわたって無償で氷彫刻を実演している。今でこそテレビやイベントに引っ張りだこだが、彫刻家として活動を始めたころ、初の表舞台がここだった。二十一日、子どもたちに笑顔と涼を届けた。

 正午すぎ、うだるように暑いこども園のグラウンドに、高さ一メートルほどの氷柱が運び込まれた。百人ほどの子どもや保護者の視線が一斉に集まる。チェーンソーやドリルで氷を削り、しぶきが大きく舞う。「二橋さん頑張れー」。子どもたちの声援に、眉間のしわが一瞬ゆるんだ。

 三十分ほどで氷柱が翼を大きく広げたワシに様変わり。羽の質感までこだわって仕上げた労作は、今にも動きそう。

 湖西市新居町の内田皓士(こうし)ちゃん(5つ)は「すごい。最初はどんなふうになるのか分からなかったのに」と作品を見つめた。

 二橋さんは浜松市北区三ケ日町出身。二十歳で大阪の日本料理店に就職し、料理を演出する氷細工と出合った。東京の氷彫刻の教室に通って研さんを積み、約三十年前、地元・浜松で「氷工房にはし」をオープン。「まずはいろんな人に見てもらおう」と最初に実演を披露したのが浜松こども園だった。

 「あのとき、最初に作ったのは確か魚だったかな」と懐かしそうに振り返る。以来、氷の中に浮かぶように花が咲くように彫る「フローラルアイス」などの技法が注目され、一躍、有名となったが「原点」を忘れず、どんなに忙しくても毎年通い続けてきた。昨年は台風の影響で八月の実演が中止になったが、十二月にサンタクロースにふんして氷のクリスマスツリーを届けた。

 「三十年前は若くて、もっと体が動いたんだけれど」。実演後、息を切らして苦笑い。作品の周りにできた人だかりを見つめながら「体が動く限りは続けたいね」と汗をぬぐった。

(鎌倉優太)

 

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