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夢は甲子園女性審判 浜松江之島高・小山さん

デビュー戦でアウトをコールする小山万智子さん=浜松市中区の浜松球場で

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 浜松江之島高(浜松市南区)三年の小山万智子さん(17)は、女性審判員として初となる高校野球の静岡大会参加を目指している。ゴールデンウイーク中に浜松球場(中区)であった同校と浜松湖東高(西区)の野球部定期戦で実戦デビューを果たし、球場内に「アウト!」の声を響かせた。静岡大会参加の先には甲子園の舞台を視野に入れている。

 今月六日の定期戦では、「ジャッジの機会が多い」と一塁審を志願した。主審は、今春の選抜高校野球大会で審判員として甲子園に派遣された栗田幸紀さん(49)。小山さんが「師匠」と仰ぐ。試合序盤、栗田さんからジェスチャー時の手の位置が低いと指導を受けた。身長は一五七センチ。男性に負けんばかりに腕を振り上げた。

 栗田さんは「厳しい指導にも向かってくるので成長が早い。声がよく通るのは彼女の武器になる」と活躍に期待を込める。

 中学ではソフトボール部に所属していたが、練習中腰にけがを負い、高校から野球部のマネジャーを始めた。グラウンド外から試合を眺めるうちに「選手目線から審判目線に変わっていた」と振り返る。

 転機は昨春の静岡大会。放送の手伝いで訪れた浜松球場で、その日審判を務めていた栗田さんから声をかけられた。「興味があるなら一緒にやろう」。弟子入りが決まった。

勉強に使ってきた解説書やノートを手にする小山万智子さん=浜松市南区の浜松江之島高で

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 最初のうちは女性審判に対する風当たりは強かった。練習試合で際どい判定をすると相手チームの監督から激しく抗議されたこともあった。

 そこで栗田さんの「動作を止めてよく見ること」というアドバイスを心掛け、より正確なジャッジができるようになった。猛勉強して県軟式野球連盟の三級資格を取得し、自室の鏡の前ではジェスチャーの練習を繰り返した。気が付けば周囲の雑音は消えていた。

 日本高校野球連盟によると、春夏を通じて甲子園大会での女性審判員の参加実績はゼロだが、男性限定の規定が設けられているわけではない。一九九〇年代から神奈川や福岡、大阪などの地方大会で女性審判が誕生している。

 高野連の担当者は「技術と体力さえ備わっていれば性別は問わない」と話す。

 小山さんの当面の目標は、最短三年で取得可能な一級審判員。一級になると地方大会に参加ができ、さらに実績を積むことで、甲子園大会への派遣推薦が現実味を帯びる。小山さんのほかに県内で資格を持つ女性審判は、少年野球の選手の保護者ら三人だけ。

 小山さんは「女性でも審判員なら甲子園の舞台に立てる可能性がある。将来的には女性審判がもっと増えていけばうれしい」と意欲を燃やす。

(松島京太)

 

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