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社員向け講座開放 浜松のサカエ

田場川侑美さん(中央)から本革を使ったカードケース作りのこつを聞く「サカエ・ユニバーシティ」の参加者たち=浜松市中区で

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 産業機械商社のサカエ(浜松市中区)が、社員向けにアートの講座を開き、市民にも開放するユニークな取り組みをしている。「サカエ・ユニバーシティ」と銘打ち、腕に覚えのある社員や地元の作家らが月替わりで講師を務める。地域との接点を増やして認知度を高めるのが狙いで、将来は新卒採用の増加にもつなげたい考えだ。

 四月十五日夕、サカエ本社で開かれた二〇一九年度の初回講座。会議室に集まった人たちがプラスチック製のへらを握り、慎重な手つきで革に接着剤を塗っていく。テーマは、名刺を入れるカードケース作り。スーツ姿の男性社員から仕事を終えた取引先の女性まで二十人が挑戦した。

 手ほどきしたのは、カナダを拠点に活動する革細工作家の田場川(たばかわ)侑美さん(26)=中区出身。「人前で教えるのは初めて。自分にとっても貴重な経験」と話し、「接着剤はリズムよく塗りましょう」「糸での縫い合わせは力を込めて」と熱心に指導した。

 サカエは一九四七年創業。自動車関連のベアリング(軸受け)や工場自動化装置を主に扱う。地元のものづくりには欠かせない商材だが、総務課の川島健さん(40)は「企業が顧客のため一般の人にはイメージが湧きづらい」と感じていた。

 創業から七十周年を迎えたのを機に、社員の教養を深めるための研修と地域への貢献を兼ねて、月一回のアート講座を一八年度から始めた。

 一九年度の講座は、オイルで満たしたボトルに花を閉じ込めて飾る「ハーバリウム」や、筆ペンを使って絵のように自由な字体で言葉をしたためる「己書(おのれしょ)」などさまざま。総務課で働く斉藤さなえさん(32)も、紫外線で固まる樹脂「UVレジン」で金属の小物入れを装飾する講座を担当する。アクセサリー作りが趣味で「アートを通じて会社のアットホームな雰囲気に触れてほしい」と話す。

 サカエの従業員は約七十人。毎年数人の新卒者を採用しているが「人手不足感があり、本当は十人程度に増やしたい」と川島さん。今後は、地元の大学生にも講座への参加を積極的に呼び掛ける考えで「まずは気軽に訪れてもらい、交流を深められたら」と願う。

 講座はサカエ本社で平日午後六時〜七時半に開かれる。参加希望者は事前に申し込みが必要。同社ウェブサイトの「お知らせ」に日程や詳しい内容を掲載している。

(久下悠一郎)

 

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