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業容拡大より人材育成 浜松いわた信金発足

浜松いわた信用金庫の発足式で新しい通帳とキャッシュカードのデザインを披露する御室健一郎理事長(中央左)と高柳裕久副理事長(同右)=21日、浜松市中区元城町の同信用金庫本部で(川戸賢一撮影)

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 浜松信用金庫(浜松市中区)と磐田信用金庫(磐田市)が合併して「浜松いわた信用金庫」が二十一日、発足した。預金残高が二兆四千二百七十一億円(昨年末時点の浜松、磐田両信金の合計)と全国十位前後の巨大信金が誕生した。

 浜松市中区元城町の本部で発足式があり、御室健一郎理事長(元浜松信金理事長)は「地域の課題解決力を大幅に高めたい」とあいさつ。国連が提唱する「持続可能な開発目標(SDGs)」を経営理念の根幹に掲げ、人権や環境保護などにも貢献すると宣言した。

 県西部の各支店には青色を基調とした新信金の看板が掲げられ、真新しい制服に身を包んだ職員が窓口で顧客に応対した。

 人口減少や低金利で、信金など地域金融機関は経営が年々難しくなっている。浜松いわた信金は規模の拡大で競争力を高める。

 法人の事業承継や個人の資産運用といった分野に人材を重点配分する一方、重複業務の解消を図り、二年後をめどに九十二ある店舗の機能分担や統廃合を進める。

 県内では、六月二十四日に島田信金(島田市)と掛川信金(掛川市)が合併して「島田掛川信用金庫」、七月十六日にしずおか信金(静岡市葵区)と焼津信金(焼津市)が合併して「しずおか焼津信用金庫」が発足する。

◆事業承継の支援増員

「浜松いわた信用金庫」の発足式であいさつする御室健一郎理事長=浜松市中区で

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 浜松、磐田両信用金庫が合併して二十一日発足した浜松いわた信用金庫(浜松市中区)。御室健一郎理事長は、企業の事業承継をはじめ地域の課題を解決する人材育成に力を入れる考えを示した。県内の金融関係者は「いかにコスト削減を図るか」に注目している。

 「合併の究極の目的と言えば、人材の育成だ。われわれ経営陣がそれを実行できるかに懸かっている」。発足式後の記者会見で、御室理事長は職員の教育に意欲を見せた。

 合併後の職員数は千七百二十五人、関連会社も含めると約二千人に上る。両信金はこれまで、余力となる人員を後継者難の企業の支援など地域の課題解決に充てると説明してきた。

 御室理事長は、こうした業務の担当職員を浜松信金時代の四人から二十人程度に増やすと説明。同時に、これらの専門知識を持った職員を育成するため、事業承継や企業の合併・買収を仲介する日本M&Aセンター(東京)に職員二十人を半年ずつ交代で出向させ、相談や実務の経験を積ませる計画を明かした。

多くの報道陣が集まった「浜松いわた信用金庫」の発足式=浜松市中区で

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 業績目標については、二〇二三年度までの五年間で預金残高千五百億円、貸出金残高六百億円の純増と、毎年度五十億円の純利益計上を掲げた。預金、貸出金残高は発足時から5〜6%前後の伸びにとどまるが、御室理事長は「業容拡大よりも、将来、地域に貢献するための人材育成や内部の体制を整えることに力を入れる」と強調した。

 一方、金融業界では、顧客が自ら手続きできるインターネットバンキングやセルフサービス型店舗などフィンテック(金融と情報技術の融合)で省人化が急速に進んでいる。他信金の幹部からは「人手が不要になっていく時代に多くの職員を抱えることはリスクだ」との声も聞かれる。

 県内のシンクタンク幹部は「余った人材を研修機関だけでなく、取引先の企業にも出向させればいい。出向料がもらえて融資先の実態を知ることができ、戻ってからの業務にも役立つ」と提案する。

 浜松いわた信金は、二〇年春以降の新卒採用を従来の約半数の三十五〜四十人に抑え、緩やかに人員削減を進める方針。九十二ある店舗も、二年後をめどに機能分担や統廃合などを含めて再編する計画で、御室理事長は「経費削減に重点的に取り組む」と述べた。

(伊東浩一)

 

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