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中日レディーズサロン

第204回 川柳作家 やすみ りえさん 日常を詠む共感の文芸

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 第二百四回中日レディーズサロン例会(中日新聞東海本社主催)が三月十五日、浜松市中区のホテルコンコルド浜松であり、川柳作家のやすみりえさんが「くらしのなかの五・七・五〜心をいきいきと〜」と題して講演した。

 川柳、俳句、短歌は短詩形と言われる文学ジャンルですが、川柳と俳句の違いをよく聞かれます。俳句は基本的に季語、季題を大切にしていますが、川柳は季節感を出さなくてもいいんです。

 「咲いてまた 逢(あ)いたい人の 名を想(おも)い」

 私が十五年くらい前、京都の円山公園のしだれ桜を見上げて詠みました。季節の言葉は何一つ、入っていません。その時々の気持ちを前面に表現していますが、喜怒哀楽や日常の出来事、家族、友人など何でも題材になります。「人間を詠む文芸」と捉えてください。

 川柳は江戸時代、柄井川柳(一七一八〜九〇年)が立ち上げたのです。浅草寺(東京都台東区)の近くの「蔵前」という地域の名主でした。今で言う川柳コンテストをどんどん開いて庶民に広めたのです。

 では、江戸時代の作品を味わってみましょう。

 「国の母 生まれた文を 抱きあるき」

 故郷の母親が無事に孫が生まれたという便りを、孫を抱き締めるように大切に持ち歩いている様子を詠んでいます。当時の人たちが生き生きと暮らした様子が見えてきますね。

 川柳はテーマをもって詠むことが多く、納得と共感の文芸とも言われます。聞くと面白い、分かるというポイントがあるということです。年賀状や暑中お見舞いのはがきに近況を一句添えるとか、川柳を日常に取り入れてください。私も川柳の道に入っておよそ二十年ですが、これからも句を楽しむ時間を持ち続けたいと思います。

 やすみ・りえ 1972年生まれ。神戸市出身。大学卒業後に本格的に川柳の道へ。多くの川柳コンテストで選者を務め、テレビやラジオに出演。各地で川柳講座も開くなど幅広く活動している。共著に「50歳からはじめる 俳句・川柳・短歌の教科書」などがある。全日本川柳協会会員。文化庁文化審議会委員も務める。

 

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