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東海本社 中日懇話会

第442回 エコノミスト 崔 真淑さん 「2020年の日本経済のポイントを整理する!」

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 第四百四十二回中日懇話会が一月三十日、浜松市中区のホテルコンコルド浜松であり、エコノミストの崔真淑さんが「二〇二〇年の日本経済のポイントを整理する!」と題して講演した。

 二〇一四年の消費税増税時は消費支出がガクッと下がったが、給与を示す可処分所得が増えたため緩やかに回復してきた。しかし、現在は可処分所得の伸びが停滞し、一九年の増税後は回復が悪い。内需は黄色信号が点灯している。

 外需も、米中間の貿易状況が悪くなり、国内総生産(GDP)の足を引っ張っている。新型コロナウイルスによる肺炎で中国経済が停滞すれば、厳しい二〇年になるのではないか。

 日本の経済成長はマイナスとプラスを行ったり来たりしている。財政出動したらすぐに緊縮することをここ二十年繰り返しており、「いつかツケが来る」と国民の消費の気持ちが温まらなかったのではないか。

 東京五輪は三十二兆三千億円の経済効果があると試算されているが、一つ欠点がある。インバウンド(訪日客)需要が高まるといわれる一方、他の消費の削減や需要の先取りなどのネガティブな効果は反映されておらず、期待できるものではない。

 今の日本経済を引っ張っているのは製造業やインフラ、金融。世界の株式時価総額ランキングを見ると、GAFAといったデジタル産業が圧巻している。十年前から米国は上位がガラッと変わったが、日本は顔触れがほぼ変わっていない。

 米国ではリーマン・ショック後に「雇用の流動性」によって職を失った人材がデジタル産業に流れたといわれている。日本は特許やノウハウなどの無形資産への投資が足りず、イノベーションが起きなかったのではないか。

 政府だけではなく、海外からの投資を呼び込むためには、企業のガバナンスを透明化する必要がある。日本では企業の不祥事が明るみに出た場合、経営者が責任を追及されることが少なく、海外からすれば投資のリスクが高い。

 上場会社の取締役の三割を女性にしようという状況が米国や英国、中国、韓国などで広まっている。風通しが良くなれば経営体制も変わってくる。二〇年はガバナンスと多様性の改革が浸透していくだろう。

 さい・ますみ 1983年三重県生まれ。神戸大経済学部卒。2008年大和証券SMBC金融証券研究所(東京)に入社し、アナリストとして資本市場分析に携わる。12年に独立し「グッド・ニュースアンドカンパニーズ」(同)を設立。著書に「30年分の経済ニュースが1時間で学べる」など。

 

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