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東海本社 中日懇話会

第441回 豊田洋一・東京新聞論説副主幹 「安倍政権はなぜ続くのか〜憲政史上最長内閣の光と影」

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 第四百四十一回中日懇話会が十二月十六日、浜松市中区のグランドホテル浜松であり、東京新聞(中日新聞東京本社)の豊田洋一論説副主幹が「安倍政権はなぜ続くのか〜憲政史上最長内閣の光と影」と題して講演した。

 安倍晋三首相の通算在職期間が明治・大正期の桂太郎首相を超え、歴代一位になった。なぜこれほどまで長く続いたのか。

 経済指標が民主党政権時代を上回っていること、自民党にも野党にも安倍首相を引きずり降ろせるような人がいないことなどが要因だが、それらはあくまで表面的な理由だ。構造的な部分を見ると、平成以降の政治改革が大きな要因となっていると分析する。

 一番大きなものを挙げれば、衆議院の小選挙区比例代表並立制の導入か。自民党内の派閥争いや無理なカネ集めをやめさせる目的で行われた改革だ。ほかにも二大政党制を意識した改革が進められ、ロッキード事件のような大型疑獄事件はなくなった。一定の成果は出たが、弊害も顕著になった。

 政権中枢が権力や権限を持つようになり、官僚も政権に逆らえなくなった。小選挙区制では一つの選挙区から一人しか当選しないため、党が誰を公認とするかが極めて重要になる。政権幹部に逆らうと党にいられなくなる恐れも出てくる。与党内でも異論が出しづらい状況になったことが、長期政権につながった。

 首相の地位に就くと、ある種の万能感が生まれるようだ。中曽根康弘元首相は著書の中で「総理の立場は一種の狂気」と書いている。「権力の魔性を自戒せよ」とも。安倍政権に送りたい言葉だ。

 とよだ・よういち 1963年愛知県生まれ。名古屋大経済学部卒。86年に中日新聞社入社。東京本社政治部で小泉政権時代の首相官邸キャップ、政治部デスク、ワシントン特派員などを経て2009年から東京本社論説室論説委員。17年に同室論説副主幹、19年から名大情報学部非常勤講師。

 

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