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浜松まつり

千歳町「天狗連」 外国人30人が汗

力を合わせて凧の糸を引く外国人参加者=4日、浜松市南区の凧揚げ会場で

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 「和」のイメージが強い浜松まつりだが、浜松市中区の千歳町「天狗(てんぐ)連凧揚会」では四日、三十人余りの外国人が凧揚げや練りに参加し、異彩を放った。二〇一一年の東日本大震災を機に広がったという世界の「輪」が、人口流出に悩む町を盛り上げている。

 米国、カナダに英国、フィリピン、ブラジル…。同じ天狗の法被に腕を通し、凧揚げの手伝いから御殿屋台の配置準備までこなす。四日は計十五人が糸を引いた。市内に住むスチュワート・パターソンさん(29)=オーストラリア出身=は「みんなが一体になれる感じが好き。浜松まつりに参加してさらに浜松が好きになった」と笑った。

 JR浜松駅に近く、古くから続く飲食店も多い千歳町。近年は家業を継がずに郊外へ出るケースが増える一方、地価が高額なため新住民増は望めない。最盛期に二千五百人を数えた浜松まつりの参加者は最近、六百人ほどに落ち込んでいる。

 そんな中、外国人を呼び込むきっかけとなったのがマーティン・ギビンズさん(45)=同=だ。同市で英語講師として働くかたわら、週末はバーを開く。一九九三年に同市に移り住み、千歳町の知人を通じて浜松まつりに参加するようになった。

 数人の友人と誘い合うだけだったが、東日本大震災の影響で浜松まつりが中止になったことを受け「お世話になっている浜松を盛り上げよう」と決意。バー経営で広げた人脈や会員制交流サイト(SNS)で勧誘を始めた。参加ワッペンの購入窓口になるなど、取りまとめ役も引き受けた。

 一四年には日本語に堪能で民俗学を研究するサイモン・ジョンさん(42)=同、横浜市=が外国人グループの通訳や陣頭指揮を務めるようになり、言語面のハードルも低くなった。

 天狗連の幹部らは「貴重な担い手になってくれてありがたい。ほとんど関わりのなかった地域の外国人との交流も増えた」と歓迎。帰国後、天狗連のメンバーを結婚式に招く人もおり、浜松まつりは日本人と外国人コミュニティーの絆を深めることにも役立っている。

 凧揚げを終えたギビンズさんは酒を酌み交わす多国籍な輪の中で「もっと外国人を増やして、日本人と仲良くなってほしい」と赤ら顔をほころばせた。

(酒井大二郎)

 

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