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浜松まつり

参組・田中さん 唯一の女性、指導に情熱

陣屋前で太鼓をたたき子どもラッパ隊を鼓舞する田中幸代さん(手前右)=3日、浜松市南区の凧揚げ会場で

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 三日開幕した浜松まつり。勇壮な凧揚げで世に知られるだけに男性がメインと思われがちだが、「まつりっ子」の情熱は、女性も負けていない。

 「はい、いくよ!」。浜松市南区の凧揚げ会場にハスキーな女性の声が響いた。笛の音色や左手の合図でラッパ隊が一斉にファンファーレを鳴らしたり、曲調を変えたりしていく。

 南区の参野(さんじの)町「参組」の監督の一人で、ラッパ隊指導者の田中幸代さん(52)は、二十年近く凧揚会メンバーとして参加する。参組の会員としても役員としても、歴代唯一の女性だ。

 「一年の始まりは浜松まつり」というほどの熱の入れよう。結婚して参野町へ引っ越し、長男長女の初凧を揚げた。小学生になった長男が町のラッパ隊に入ったのを機に練習中、子どもたちの世話をするようになったという。

 「行儀が悪い子がいると、つい口を出してしまって…」。だんだん演奏にも口を挟むようになり、数年後、隊の指導者に。実はラッパは吹けないが、ピシッとした物言いと、こまやかな気配りで「さち姉(ねぇ)」と親しまれる。

 幼い頃、手を引いて凧揚げ会場に連れて行ってくれた祖父には「男の祭りだ」と教わっていた。「女の私がなっていいのかと思った」という。他町との役員会では、男性の中で女性一人となる場面も多く「白い目で見られたことも」と振り返る。

 元来、城主の長男誕生を祝い、凧を揚げたことが由来とされる浜松まつりだが、今では男女を問わず、子の健やかな成長を願う祭りへと変化してきた。凧揚げに参加する各町では役員のたすきを掛けた女性も珍しくなくなったが、凧揚げは力仕事ということもあり、依然「男衆の祭り」というイメージを持つ人は少なくない。

 浜松まつり組織委員会の幹部は「町によって考えは違うが、今の時代、参加者の底辺の拡大という意味でも情熱を傾けてくれる女性が増えるのはいいこと」と話す。

 「少しずつだけど、最近は若い女の子の役員も見るようになったよ。男でも女でも集まるのはみんな、祭り好き」と田中さん。

 ドン−。太鼓でリズムを取ると、参組の男女がいっせいに声を合わせた。「オイショ、オイショ!」

(大城愛、酒井大二郎)

 

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