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NIE最前線 教育に新聞を

「伝える」こつを学ぶ 湖西・岡崎中が本社見学

新聞の見出しやレイアウトについての話を聞く岡崎中生たち=中日新聞東海本社で

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 「伝えたいことをしっかり伝えるには、こつがあるんです」。五月二十四日、中日新聞東海本社(浜松市東区)の三階ホール。その日の朝刊を手に、講師役の小川邦夫整理部デスクが熱っぽく切り出した。職業体験で本社見学に訪れた生徒たちの視線が、デスクの指さす記事の見出しに集中する。

 訪れたのは、湖西市岡崎中学校の二年生四十九人。新聞を教材に学ぶ機会が増えているという生徒たちを前に、小川デスクはこんな話をしてみせた。

 例えば、とてもおいしかった食事を、ただ「おいしかった」では相手にどんな味か分かってもらえない。楽しかった旅行の思い出を感想文に「楽しかった」と書いただけでは読んでつまらない。

 うん、うん、と前の席の女子生徒が顔を見合わせながらうなずく。「新聞のレイアウトや見出しも同じなんです」。刻一刻と集まってくるニュースの中から、価値判断をもとに、一番伝えたい記事を多くの読者が最初に目がいく右上に置く。見出しは十文字前後で簡潔に。視覚に訴えるように工夫し、時には楽しい遊び心があっていい…。身ぶり手ぶりのデスクの説明に、学校新聞の経験もある生徒たちの何人かがまた、うなずいた。

 この日は夕刊を印刷中の高速輪転機や、梱包(こんぽう)されて次々とトラックに積み込まれる発送作業の現場も見学。「帰ったら、きょう聞いたことを作文や学校新聞に生かしてみて」とデスクの激励に送られて、生徒たちは大型バスで本社を後にした。

 中学校の新学習指導要領では、国語の教科目標の一つを「伝え合う力を高める」に置く。二年生では、その伝えたいことや意見が相手に効果的に伝わるよう構成を工夫することを課題に挙げる。

 「自分が言いたいことばかり話して、みんなが本当に知りたがっていたことと違うんじゃないかって、後になって気づいた」。岡崎中で生徒会副会長をしている豊田莉子さんは、総合の時間に学校新聞について発表したときの苦い思いを忘れない。「だから今は、友達と話すときも工夫する。例えば、最初にはっきり『ゆうべ見たテレビのことだけど』って」

 「僕も人と話すとき、自分が伝えたいことを最初に言う。そうしないと、話がそれて全然違う話題になってしまったりする」と同調するのは鈴木崇司君。まず要旨を明確に−新聞のリード文(前文)にも通じるような心構えだ。

 将来、イラストレーターになりたいという渡辺寿々歌さんは、職業体験の帰り際、元気いっぱいに、こう話していた。「イラストが好き。学校でも毎日描いてるけど、友達が見て、自分の思っていることが、何も言わなくても伝わったときが一番うれしい」

(編集委員・八木義弘)

 東海本社では、新聞の製作工程を知ってもらう見学会を随時、実施しています。二〇一二年度は延べ四十二日、八百六十六人の見学者を受け入れました。記者を学校に派遣する出前講座も申し込みを受け付けています。

 

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