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NIE最前線 教育に新聞を

親子の会話増える 週に1回NIEタイムを

「NIEは『深く狭く』ではなく『広く浅く』」と話す関口修司さん=東京・日本プレスセンタービルで

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 −小学校でNIEに取り組む意義は

 小学生のうちに新聞に触れないと、中学からはネットに行ってしまう。小学生のうちに新聞を読んで、切る、貼る、気付いたことを書く、線を引く、アナログの良さを知ることが大切。わからないことがあれば辞書で調べる。これを経験すれば情報の種類によって媒体を選べるように育つ。

 教科書に「新聞」を多く登場させた学習指導要領改定の背景には、活字離れと学力低下が相関することへの危機感があると思う。

 ネットで育った若者は、情報にお金を払う発想がない。新人教師も新聞を手にする人が少ない。タブレット型端末で記事を見て読んだ気分になっている。

 −NIEは難しいと思われていないか 

 全教科・領域でできる。新聞の最新データは社会科で生かせるし、子どもの乗りがいい。国語なら新聞づくり。まず事実をしっかり書かせ、別段落で自分がどう思ったか書かせる。事実と意見の混在がなくなり、わかりやすい文章が書けるようになる。理科なら「ヘチマの観察」などを新聞にまとめる。電力供給量や野球選手の打率の新聞記事で算数の「割合」を教えることもできる。家庭科では生活面を題材にできる。

 −NIEは経験豊富な先生しかできないか

 NIEが職人技では広まらない。「深く狭く」伝えるのではなく、「広く浅く」免許皆伝していかなければ。NIEの面白さと重要性がわかった人が管理職を目指してほしい。学校単位で取り組まないと、担任が替わるたびにリセットされてしまう。

 −NIEを始めるにはまず何から

 週一回でいいので、朝十五分から二十分かけて「NIEタイム」を設ける。新聞を読んで、興味のある記事を切り抜いて感想を書くのが基本。継続して新聞に触れることが重要で、ほかの日は読書。

 一年生は写真を選ばせて感想を書かせる。「面白い」とか「きれい」とか一行しか書けなかった子が三カ月もすると、すらすら感想文を書く。新聞を読むきっかけを学校でつくれば、家庭でも読む。

 四月から現在の学校に移ったが、前の学校で卒業間近の子どもたちに毎週、新聞記事を読んで感想を書き続けてファイルに残してきたことの感想を書かせた。「最初は面倒だったが、面白くなってきた」「世界には悲しいニュース、うれしいニュース、面白いニュースがたくさんある」「読むスピードが速くなり、自分で新聞を読もうと思うようになった」などとあり、子どもの成長を実感した。

 日直の子には毎朝、ニュースのスピーチをさせる。社会に関心を持つし、親子の会話が増えたと喜ばれた。

(聞き手・編集局次長 栗林茂)

 <関口修司さん(57)> 東京都北区立滝野川小学校校長。全国新聞教育研究協議会理事長、東京都小学校新聞教育研究会会長。NIEのトップランナーで知られる。7月に静岡市で開くNIE全国大会では、日本新聞協会の特別分科会で「NIEタイム」について基調報告する。

 

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