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NIE最前線 教育に新聞を

生きる力育む 格好の教材 学習指導要領に「新聞」

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 NIEという言葉を知っていますか。Newspaper In Educationの頭文字で「教育に新聞を」と訳されています。

 英語であることが示すように一九三〇年代にアメリカで始まり、日本国内で提唱されたのは八五年に静岡で開かれた新聞大会でした。

 新聞を社会や国語などの授業で活用することは古くから行われています。授業に関心を持ってもらうきっかけにするだけでなく、新聞記事を読みこなす力、感想や疑問を自分の言葉でまとめる力、さらに進んで身の回りのことを自分で調べる力などを身に付けてもらおうという取り組みが各地で行われています。

 九六年にまず東京でNIEの全国大会が開かれ、どのように授業に新聞を取り入れているかの先進校の発表がされました。十八回目となる今年は七月に静岡市で全国大会が開かれます。

 NIEは一部の先進校や先駆者的な教師によって進められているだけではありません。授業で教えるべき内容を決めているのは文部科学省が決める「学習指導要領」です。

 教える内容を定めた学習指導要領が見直されると教科書の内容自体が変わります。この学習指導要領の改定で小学校では二〇一一年度から、中学校では一二年度から、そして高校はこの春から内容が一新した教科書になりました。

 では何が大きく変わったのか。前回の学習指導要領は、いわゆる「ゆとりある教育」が打ち出された〇二年度でした。それから十年。新しい指導要領は「生きる力」を育むために知識や技能を身に付けながら思考力、判断力、表現力を育てることを重視しています。

 こうした力を養う格好の教材が新聞であることが見直されて教科書には「新聞」が実に頻繁に登場するようになりました。文章を読み取って、文章で表現する言語力が子どもの学力や社会で役立つ思考力さらに判断力を育てる学習の基本と見直されたわけです。考えて自分の基準を持てるようにならないとネット社会への対応も大変です。

 新聞を読む機会が多いほど読解力が向上することは経済協力開発機構(OECD)が世界六十五の国と地域で十五歳の子どもを対象にしている学習到達度調査でも表れています。

 新聞を読む頻度と獲得点数の関係を調べ「まったくほとんど読まない」から「週に数回」まで五段階に分けると、各国とも「週に数回」と答えたグループの得点が最も高い結果が出ました。文部科学省が昨年度から五カ年計画で学校に司書を置いたり、新聞を配備したりするようになったのもこうした読解力向上をねらったものです。

 写真を見てください。新学習指導要領の小学校国語編に登場する新聞を教材にした言語活動への取り組み方を示した部分です。国語編では十九カ所、社会編では十五カ所で「新聞」を取り上げています。

 学習指導要領の改定で新しい教科書はどうなっているのか。「新聞」はどのように教科書に登場してくるのか。

 興味のあるテーマに沿って関連する新聞記事を模造紙に貼り、感想を書き添える。新聞切り抜き作品に取り組んでいる小学校や新聞の投稿欄に積極的に生徒の意見を寄せている中学校、さらにNIE活動を推し進めている先生などを日曜日のこのコーナーで紹介します。

 せっかく新聞を購読されているので家庭でも子どもさんと新聞を広げて興味のある記事について話し合いませんか。もうそれがNIEの始まりです。

(編集局次長 栗林茂)

 

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