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静岡経済 特集

けいざい夏期講習(7) 金融機関の再編

◆なんで経営が厳しいの? 

浜松いわた信用金庫の発足式で新しい通帳とカードの図柄を披露する関係者。浜松、磐田両信金が合併して誕生した=1月、浜松市中区で

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 ふーちゃん 銀行や信用金庫の経営が厳しいって聞くけど、どうして?

◆人も企業も減るからだよ

 うな博士 人口が減って企業やお店の数も少なくなり、金融機関でお金を借りる企業や人が減っているんだ。特に地方がそう。パソコンやスマートフォンで振り込みなどができる「インターネットバンキング」や、現金を使わないキャッシュレス決済が普及して、小売りやITなどの異業種からも金融への参入が相次ぎ、ライバルが増えたことも影響している。

 ふー 経営を悪くする原因として「マイナス金利」という言葉も聞くよ。

 博士 日本銀行が二〇一六年二月から導入した政策で、金融機関が日銀に預けている一部の預金の金利をマイナスにする、つまり手数料を取ることにしたんだ。「預けてお金を取られるくらいなら、どんどん企業に貸そう」と、金融機関に仕向ける狙いだった。

 でも、そのせいで、金融機関が企業などに貸し出す金利や、運用する国債の利回りも下がってしまった。これらは金融機関のもうけに直結しているんだ。日銀は、地方銀行の六割近くが十年後には赤字になると試算しているよ。

 ふー ピンチだね。金融機関はどうやって乗り切るの?

 博士 国は「多少リスクはあっても、有望な企業を見つけて相応の金利で貸し出せ」「企業が抱える課題の相談に乗って手数料を稼げ」などと促している。でも、そうした対策だけでは「限界がある」といった嘆きも聞こえてくるね。

 ふー じゃあ、どうすればいいの?

 博士 手段として増えているのは、金融機関同士が合併すること。一つになれば資金力が増すし、地域での影響力も高まる。店舗や業務を一体化することで経費も減らせる。県内でも今年、浜松と磐田、掛川と島田、しずおかと焼津の三組の信金が合併したよ。

 七月に総資産で地銀トップの横浜銀と三位の千葉銀が業務提携で合意したように、部分的な連携も一つの方法だね。合併には「相手に吸収される」とか「役職が失われる」といった心配も多い。提携で現金自動預払機(ATM)を共用すれば設置台数を減らせるし、一緒に現金を輸送すれば運送費を削減できる。もっとも、友好関係を築いてお客さんの奪い合いをやめることが本当の狙いだ、とも言われているけどね。

 ふー 合併や提携をしない金融機関は?

 博士 利用が少ない店舗を縮小して職員を減らしたり、大きな店舗にまとめたりして、それぞれが効率的な経営に努めている。県内で増えている店舗の昼休みもその一環だ。職員が定時に休憩をとれるようにする「働き方改革」の側面もあるけど、休憩中に業務をカバーする職員を余分に置かなくてもよくなるんだ。

 他にも、パソコンを使う作業をソフトウエアで自動化するなど、あの手この手で節減の努力をしている。それでも立ち行かなくなったら合併を考えよう、という金融機関が少なくないんじゃないかな。

 

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