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静岡経済 特集

けいざい夏期講習(6) 米中摩擦と英EU離脱

◆もめ事 なぜ増えたの?

19日にトランプ米大統領が投稿したツイッターの文章。中国製品の関税を上げた分で米国の農家が潤うとして「明るい未来がある!」と主張している

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 ふーちゃん 米国と中国の貿易摩擦で県内の企業にも影響が出ているという記事を読んだよ。二つの大国が対立するのはなぜ?

 うな博士 引き金は二〇一六年に実業家のトランプ氏が米国の大統領に当選したこと。彼は中国への輸出より輸入の方が多い「貿易赤字」を問題視した。中国は安いモノをたくさんつくって世界中に輸出しているからね。「不均衡を改める」と言い出したんだ。

 ふー 何を始めたの?

 博士 中国から米国に輸入するモノにかける関税という税金の割合を上げたんだ。モノの値段がその分高くなるから、米国で同じモノをつくっている会社は助かる。中国は当然怒って、同じように米国から輸入するモノの関税を引き上げて対抗したよ。

 ふー でも、モノをたくさんつくっている中国の方が大変そう。

 博士 実際に工場での生産が鈍っている。そうすると、中国の工場向けの仕事が減ってくる。モノをつくったり検査したりする機械を中国へ輸出している県内のメーカーも、困り始めているんだ。

 ふー 米中だけの問題じゃないんだね。

 博士 実は、トランプ大統領は日米間の貿易も「不公平だ」と繰り返し訴えている。今、日米で関税についての話し合いが本格化しているけど、日本が不利な条件をのまされる可能性は十分にあるよ。

 ふー 欧州では英国が問題になっているとか。

 博士 トランプ米大統領が当選したのと同じ一六年に、商取引のルールなどを共通化している欧州連合(EU)から離脱すると国民投票で決めたんだ。英国の離脱を意味する造語でBrexit(ブレグジット)と呼ばれている。「英国はEUにたくさんお金を出しているのに、見返りが少ない」と不満を持つ英国民が増えたんだ。

 ふー 正式には離脱はまだだよね?

 博士 EUとの間の離脱協定案を英国の議会が認めないんだ。これまでに三度否決され、メイ首相は七月に退任してしまった。後任のジョンソン首相は離脱運動を主導した人物で、EUとの「合意なき離脱」を強行するかもしれない。

 ふー 強行したら?

 博士 幅広い影響が心配される。例えば関税。EU内は無税だから、これまでは英国でモノをつくってEUの他の国々に売る会社も多かったけど、離脱して関税がかかるようになれば売りにくくなる。ホンダは二一年に英国工場を閉鎖すると決めた。「離脱とは無関係」と言うけどね。ホンダ系のユタカ技研(浜松市東区)も現地工場の今後について検討している。

 ふー もめ事が増えているのはなぜ?

◆「自国第一」が背景にあるよ

 博士 「自国第一主義」が広がっていることが背景にある。でも、世界は複雑に結び付いているから、過激すぎると自国で思わぬ不利益を受ける人が出てくる。最近の日本と韓国の関係悪化も心配だ。冷静さがリーダーにも国民にも必要だといえるね。

 

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