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静岡経済 特集

けいざい夏期講習(4) コンビニ営業

◆24時間便利じゃない?

夜の街に浮かび上がる24時間営業のコンビニの看板=浜松市で

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 ふーちゃん コンビニはいつでも開いているのが当たり前だと思っていたけど、二十四時間営業をやめたいお店が増えているの?

 うな博士 その前に知っておいてほしいのがコンビニの仕組みだ。実はコンビニの多くは本部の直営ではなくて、「加盟店」と呼ばれる個人経営のお店がほとんど。看板や商品、サービスなどを使わせてもらう代わりに、本部に加盟料を支払っているんだ。

 ふー へー。知らなかったな。

◆人足りなくてやりくり大変

 博士 コンビニ大手のファミリーマートが先月発表した調査結果で、その加盟店の約半数が営業時間の短縮を希望していることが分かった。大きな原因の一つは人手不足。好条件の働き口が他にたくさんあるので、過酷な深夜の勤務が敬遠されて、アルバイトが集まらないというよ。

 ふー 給料を上げれば集まるんじゃない?

 博士 そうかもしれないけど、お店に余裕がないんだ。ざっくり言うと、加盟店は売り上げから仕入れ代などを引いた粗利の四〜六割を加盟料として本部に支払う。お店は残りの取り分の中からバイトの給料を支払っている。人手を確保するためにバイトを増やしたり、給料を上げたりすれば、減るのはお店の経営者の取り分だ。

 ふー でも、お店はもうかるんでしょ?

 博士 そうでもないんだ。ライバルや同じチェーンのコンビニが近くにできたり、安売りをするドラッグストアやスーパーが出店したりして、競争が激しくなっている。売り上げは頭打ちか、下がっていく場合が多いから、お客さんが少なくてあまりもうからない深夜は、なるべく営業したくないのがお店の本音だろうね。

 ふー それでも本部は深夜の営業を続けようとしているのはどうして?

 博士 人手のやりくりは加盟店の役目で、本部は直接の痛手を受けないからさ。それよりも「二十四時間営業」のイメージを守ることにこだわり、加盟店が人手不足を理由に二十四時間営業をやめさせてほしいと訴えても、一部のコンビニを除いて公式には認めてこなかった。

 ふー 加盟店はどうやって対応してきたの?

 博士 深夜のバイトを確保できなければ、経営者やその家族が働いて営業を続けるしかなかった。県内のコンビニにも、健康の不安を抱えながら毎日、深夜勤務に入り続けているという経営者がいたよ。

 ふー これからのコンビニはどうなるの?

 博士 加盟店の経営者の悲鳴がさまざまな形で報じられたことで「二十四時間営業は要らない」という世論が高まってきたね。コンビニ大手も営業時間を短くする実験を始めたり、店員を置かなくても買い物客が精算できるセルフレジの導入を進めたりしているよ。

 ただ、加盟店の経営者は個人事業主の扱いで、本部との団体交渉が認められていないから、立場が弱い。時短を希望するお店のどの程度が認められるかは不透明で、世間が関心を持ち続ける必要があるね。

 

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