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静岡経済 特集

接客の力(中) 松坂屋静岡店 青木恵美さん

◆健康守る 目利きの一足

シューフィッターの資格を持ち、足の健康も考えて靴を薦める青木恵美さん=静岡市葵区で

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 椅子に腰掛けて試し履きをする客に、膝が床に付くほどの姿勢で向き合う。両手を添えて靴を差し出し、「お似合いですよ」。一九九七年の入社以来、静岡店の婦人靴売り場一筋だ。

 足の形に合わない靴を履き続けると、扁平(へんぺい)足や外反母趾(ぼし)、巻き爪などの原因となる。足と靴の専門資格者「シューフィッター」として、骨格や土踏まずの状態をくまなくチェックし、足の健康を守る観点から製品を提案する。

 女性用のパンプスなら、かかとに隙間がなく、つま先と靴の間に一〜一・五センチの「捨て寸」があることが重要ポイント。親指が最も長い「エジプト型」、人さし指が長い「ギリシャ型」など、客ごとに異なる指先の形状にも気を配る。

 これまでに接客したのは「ざっと二万人」。経験から「サイズや好みを聞くと『このブランドの、こんなデザインはどうだろう』と頭に浮かぶ」という。良い靴を長く使ってほしい、との思いから、防水スプレーやクリームも一緒に薦め、手入れの方法も教える。丁寧な説明が好感を生み、売り上げ点数や客単価は売り場でトップクラスだ。

 事務仕事をしていたが、レジャーランドやカラオケ店でのアルバイト経験から「人と話すことが刺激的」と転職した。入社当初、婦人靴の知識は、ほぼゼロ。「その靴がお客さまの足に合うのか合わないのか、大きいのか小さいのかも分からず、緊張の連続だった」と振り返る。

 「より良い接客をするための強みにしたい」と、靴の知識や足の病気などを猛勉強し、入社六年目に初挑戦でシューフィッターの資格を取得。それを目当てに訪れる客も増え、固定客の獲得につながった。

 「納得した上で購入してもらいたい」と、商品ありきの薦め方はしない。足の形とかけ離れた靴を選ぶ客には「長い時間履けそうですか」と必ず問い掛ける。同僚が「後片付けが大変なくらい、九足も十足も出し続ける」と証言するほど、客に寄り添う姿勢は周囲からも一目置かれる。

 「これ、履きやすかったよ」「ここでしか買わないわ」。感謝の言葉を聞くたびに、思いが届いたような気がしてうれしい。「足に合った靴を履いてほしい」

◆わが店の販売員育成策 専門知識を幅広く伝授

 大丸松坂屋百貨店では、開店前や閉店後に、専門知識を持つ社員が講師を務める「店学校」を月に10回ほど開いている。内容は接客術から外国人観光客への対応、衣料品の素材研究など多岐にわたり、テナントの販売員も参加できる。

 各店舗には接遇の向上を目的とした「サービス教育担当者」を配置。テナントの販売員やアルバイトも、入店時に百貨店が行う講習を受ける。売り上げ目標の達成率、笑顔、あいさつなどを総合評価し、優秀な販売員を表彰する「フロンティアクラブ」制度も2008年に創設した。

(鈴木啓紀)

 

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