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静岡経済 インタビュー

2020年 こうみる 浜松ホトニクス・晝馬明社長 

◆海外で試作 いち早く

「海外からの注文に迅速に応えられるようにする」と話す浜松ホトニクスの晝馬明社長=浜松市中区で

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 浜松ホトニクスの晝馬(ひるま)明社長(63)は、海外からの製品開発の相談に対し、現地で迅速に試作品を仕上げる態勢を強化する計画を語った。各地に駐在する技術者が顧客とのやりとりを円滑に行えるようにして、取引の拡大につなげる。

 −光センサーを中心とした主力製品の受注増に向けて新たな戦略は。

 お客さんが欲しい物を素早く形にする「ラピッドデザインセンター」を、米国に加えて欧州にも構えたい。中国にもできる環境はある。日本から出張していてはコミュニケーションが遅れる。競争相手は欧米にいる。いち早く試作品を作ることで、小さくても面白いビジネスを伸ばしていく。

 −前期は米国との貿易摩擦を抱える中国国内の設備投資抑制が響いた。

 中国での売り上げが減ったわけではないが、われわれの製品を使う日本企業の中国での活動が鈍った。半導体製造や工場自動化向けが大きい。今年は米大統領選があり、政治が経済に悪影響を及ぼしかねない不安はあるが、後半は設備投資も多少回復するのでは、との声を聞く。売り上げが大きい医療機器向けが好調なのは心強い。

 −中長期的に伸長を期待する分野は。

 (対象物の距離や性質をセンサーで測る)LiDAR(ライダー)の技術だ。車の自動運転だけでなく、ドローンでの計測や建設関係でも応用が広まるだろう。売り上げにつながるまでは長丁場だが、メーカーに使ってもらうための活動は今が大切な時期。量産態勢を整える。

 −理事長を務める光産業創成大学院大(浜松市西区)に、医療機器開発に向けた新研究領域「バイオフォトニクスデザイン分野」を設ける。

 大企業が参入しないような製品を手掛けるベンチャーを育てたい。浜松にはいろいろなものづくりの技術がある。輸送機器産業は(規模が)断トツだが、新たな産業の「種」をつくることができれば、人口が減少する中でも雇用の創出につながる。

 −今年は、浜ホトの創業に影響を与え「日本のテレビの父」と称される高柳健次郎氏の没後三十年。功績や光技術の魅力を若い世代にどう伝えていくか。

 高柳氏が「イ」の字をテレビに初めて映し出してから二〇二六年で百年。それまでにレーザーで「イ」を立体的に浮かび上がらせるという高い目標がある。時間はかかるが、一歩目の装置はできている。浜松科学館を通じて受け入れた子どもたちに中央研究所で光技術の実験をしてもらったり、出前授業をしたりといった取り組みも続けていく。

(聞き手・久下悠一郎)

 

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