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静岡経済 インタビュー

2020年 こうみる ヤマハ・中田卓也社長 

世界経済が減速し、企業の景況感が悪化する中で迎えた二〇二〇年。県内の主な経営トップに事業のかじ取りや業界展望を聞いた。

◆インド 楽器販売に力

「人口は非常に大きな力だ」とインドの将来性を語るヤマハの中田卓也社長=浜松市中区で

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 ヤマハは二〇一九年に工場を新設したインドを中国に次ぐ有望な市場と位置付け、開拓を強化する。中田卓也社長(61)は「現地の期待が非常に大きい」と手応えを語り、音楽教育と合わせて拡販とブランド浸透に力を入れる考えを示した。

 −インド南部のチェンナイに工場を新設した。

 楽器の売り上げが成長する中で工場のキャパシティー(能力)が不足気味になった。(既に工場がある)中国やインドネシア、マレーシアに造るか、新たな国に打って出るかを議論した結果、新たな挑戦をすることにした。

 −市場の将来性は。

 インドは映画産業が盛んで音楽との親和性が高い。何より中国に匹敵するほど人口が多い。人口は非常に大きな力だ。東南アジアで進めるリコーダーなどの器楽教育もインドで始めた。楽器を演奏する楽しさを伝えることで、将来のお客さまの獲得につなげたい。

 −一九年を振り返ると。

 円高の(マイナスの)影響はかなりあったが、好調な楽器事業がカバーしてくれた。要因はブランド力の向上だった。販売の現場がすぐに値引きに走るのではなく、しっかりと良さを伝える方向にかじを切った。結果として価格を下げずに済み、売り上げを確保できた。

 −ブランド力を強化するために、どのような取り組みを行ってきたか。

 テレビでブランドCMを放映したり、新幹線で広告を打ったりしてヤマハの活動の広がりを知ってもらい、従業員のモチベーションが高まった。これはブランド力の向上において非常に大切なことだ。自分たちのブランドを誇りに思えないようではお客さまに伝わらない。

 −世界市場の動向は。

 国内は管楽器が苦戦している。中国人の「爆買い」が減ったこともあるが、少子化で中学校や高校の吹奏楽部員が減っていることも要因だ。中国は米国との問題があった中でも堅調。以前の10%台後半のような成長力はないが、一九年は二桁成長を維持できた。

 −二〇年の展望は。

 米中関係はやや落ち着きつつあるが、一カ月後には何が起きているか分からないのが両国で、油断はできない。

 −音による通信を利用した多言語情報提供システム「サウンドUD」(UD=ユニバーサルデザイン)が東京五輪の競技会場に導入されるなど、五輪との関わりも注目される。

 多少なりとも五輪開催に貢献でき、誇りに思う。期間中は世界中から人が集まる。ヤマハの世界観を分かってもらえるよう、積極的に発信していきたい。

(聞き手・鈴木啓紀)

 

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