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静岡経済 インタビュー

2019年 こうみる 浜松信用金庫・御室健一郎理事長

◆地域の課題に人材

「地域や地球のために収益を役立てる」と語る浜松信用金庫の御室健一郎理事長=浜松市中区で

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 浜松信用金庫の御室健一郎理事長(73)は、二十一日に迫った磐田信用金庫との合併を受け、地域の課題分野に人材を重点的に投入すると語った。合併で終わりではなく、業務提携などを含め、最適な組織の在り方を模索し続ける考えも示した。

 −磐田信金との合併が目前となった。

 大きなイベントだが、両信金が元気なうちに、少子高齢化や産業の空洞化、電気自動車(EV)化といった地域の課題に対処できるようにすることが第一の目的だ。まずは合わせて九十二ある店舗が地域でどれだけ役に立っているのか、再点検したい。

 近接する店舗は、お客さまや地域の事情を考えながら(機能を分ける)母店・子店化や、統廃合を含めた再編を二、三年の間にやっていきたい。

 −どのように地域課題の解決に取り組むか。

 法人向けは後継者がいない企業の事業承継やM&A(合併・買収)、個人向けは相続や資産運用などの分野に、それぞれ職員をかなり投入する。合併によって三人だった担当を十人にするといった重点投入ができる。人数を割り当てるだけでなく、教育をして育てることも大事。専門機関などに半年から二年間といった単位で研修に出したい。

 −新信金の経営理念に国連が掲げる「持続可能な開発目標(SDGs)」を採り入れた狙いは。

 全国有数の規模の信金になり、職員数も二千人近くになる。職員が思いを共有して働くための基本となるのがSDGsの考え方だ。適切な収益は追求するが、単に内部留保に回すのではなく、地域やお客さん、地球のために役立てなければならない。その仲介機能をするのが新信金だ、という思いを込めている。

 例えば、多額の融資をする際、SDGsの考え方に照らして妥当かどうかなどを判断する。新信金に設置するSDGs推進本部は、今後の経営の基本を担う最も重要な部署になる。

 −一八年はスルガ銀行で不正融資が発覚。過度なノルマが行員たちを不正に走らせた。

 数字を上げる道具として職員を使うのは問題だ。無理な目標を割り当てるよりも、お客さんを第一に考えていかないと。より人間的に、人間の価値を高めるために仕事をしていく意味でも、SDGsの考え方を職員に浸透させたい。

 −金融機関を取り巻く厳しい環境は続く。県信金協会長として今後の再編の動きをどうみるか。

 低金利の環境は続くだろう。再編は個々の問題であり善しあしは言えないが、それぞれの信金が地域に対して最善のサービスを提供できているかどうか、考えなければならない。

 われわれも浜松、磐田信金の合併でいいのか、という思いは常に持っている。さらにレベルの高いサービスを提供するために、再編に限らず、業務提携や共同化といった模索を、われわれも他信金も続けていかなければならない。

(聞き手・伊東浩一)

 

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