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静岡経済 インタビュー

2019年 こうみる 浜松ホトニクス・晝馬明社長

◆次代拓くコンペを

「ベンチャー精神を持つ人間を育てたい」と語る浜松ホトニクスの晝馬明社長=浜松市中区で

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 創業六十五周年を昨年迎えた浜松ホトニクス。晝馬(ひるま)明社長(62)は光産業の活性化に向け、ベンチャーや中小企業が企画を競い合うコンペを開く構想をはじめ、将来性のある事業者を積極的に支援していく考えを示した。

 −五年に一度の自社の展示会「フォトンフェア」を昨年開いた。手応えは。

 若い社員たちが企画した点に意味があった。浜ホトは光産業のボトム(底辺)に位置し、われわれの製品だけで世界を良くすることはできない。「浜ホトの製品を使って、こういうことができる」という、お客さまとの気付きの場にしたかった。今回の話し合いが実際に芽を出し、新分野に応用できるかもしれない。

 次回は(故高柳健次郎氏が世界で初めて電子式テレビに映し出した)「イ」の字を立体的に見せるプロジェクトの成果を出せるかがテーマだ。

 −晝馬輝夫前会長兼社長が昨年三月に亡くなった。

 創業から六十五年がたち年間の売り上げが千四百億円にもなると、若い人が「大企業に入る」という認識になっている。それではいけない。ベンチャー精神を持ち続けることが創業者の精神を引き継ぐことにつながる。「新しい会社をつくるんだ」という気概を持つ人間を育てたい。

 −光技術の新しい企業を応援するコーポレートベンチャーキャピタル(CVC)を昨年始めた。

 (感染症の即時診断装置を研究開発する)東大発ベンチャーのナノティス(東京)に一千万円ほど投資し、浜ホト社員が技術支援もしている。若い研究者を送り込んで育ってもらい、戻ったら次世代のリーダーになってほしい。CVCは総額で約十億円。投資先は海外を含めて検討している。

 −今後やりたいことは。

 大学発ベンチャーや、新事業をしようという浜松近辺の中小企業が参加するコンペを来年には開きたい。静岡大と浜松医科大が(統合・再編で)一緒になろうとしており、良い環境が整いつつある。光を使った医学機器の開発といった健康産業への取り組みを、ベンチャーや中小が共にできる仕組みを作る。光産業創成大学院大を中心にカリキュラムをうまく回す体制を整えたい。

 −学生の売り手市場だが、採用の姿勢は。

 学歴だけで評価は決まらない。県外の高専にも接触し始めており、しっかりと熱情を持つ人を採る。女性の雇用も課題。バイオ関係では女性だけを集めた細胞に関する研究も進行中だ。電子や物理を学ぶ女性は大学自体に少ないが、優秀な人にもっと入ってほしい。

 −世界経済の展望と自社への影響は。

 米中貿易摩擦の影響はわれわれにはそれほどない。それよりも米国の政治に経済が振り回されるのではないか。トランプ大統領に歯止めをかける人がいない。浜ホトの部品を使うお客さまの景気が悪くなれば、影響は当然出る。トランプ政権の出方は非常に心配だ。

(聞き手・山田晃史、久下悠一郎)

 

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