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静岡経済 インタビュー

2019年 こうみる ヤマハ発動機・日高祥博社長

◆新技術に出資 推進

「ベンチャーに出資して新しい技術と知見を発掘する」と語るヤマハ発動機の日高祥博社長=磐田市で

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 ヤマハ発動機の日高祥博社長(55)は、昨年設立したファンドを通じて医療や農業、次世代自動車などの分野に出資し新技術を獲得する方針を示した。先進国向け二輪車の生産体制を見直し、好調なマリンやロボティクスに人員を再配置する考えも明かした。

 −就任から一年たった。

 若い頃のように一年が長く感じられた。協業や競争でさまざまなメーカーのトップと話す機会も多く、刺激的だった。外から見たヤマハ発の潜在能力に気付かされた。

 −二〇一九年の世界経済をどう見る。

 昨年は米国の連邦準備制度理事会(FRB)の金利引き上げによる新興国通貨の下落が大きく響いた。今年は欧州の景気後退、米中間の関税の問題、米国の金利政策の新興国への影響が心配。慎重な経営のかじ取りが必要だと感じている。

 −一九年からの中期経営計画で、先進国二輪車事業の赤字縮小に向けて本社工場の生産体制を見直す。

 大型を中心とした先進国二輪車は、開発費や(経費などの)固定費が大きい割に需要が伸びていない。仮に生産が十六万台になっても利益が出るように固定費を削減する。マリンやロボティクス事業部などは人が足りていないので、人材をシフトする。

 ただ十六万台に下げるというわけではなく、二十万台の維持は狙いたい。東南アジアでも大型が売れるようになっているので、期待したい。

 −ベンチャーに出資するファンドを昨年、米国に立ち上げた。

 これまでも三年ほど取り組み、農業分野の新たな成長戦略につながった。今回は一億ドル(約百九億円)のファンドを立ち上げ、権限の移譲も含めて現地で迅速に判断できるようにし、新しい技術と知見を発掘する。対象は農業と医療のほか、電動化や自動運転といった次世代自動車関係の分野が中心となる。

 −原付きバイクでホンダとの提携が動きだした。

 相手先ブランドによる生産(OEM)でホンダ製スクーターのビーノとジョグを導入したら、前年より売れている。うれしいような悲しいような気持ちだ。次は業務用スクーターを一緒に(開発)できないか検討している。

 −電動化への対応は。

 五〇年までに製品の二酸化炭素(CO2)排出量を一〇年比で50%削減する目標がある。タイとベトナムに昨年投入したハイブリッドシステム搭載のスクーターを、他の東南アジア諸国やインドにも展開する。三年以内に完全な電動車の新製品を出す。

 −内燃機関以外にも製品の幅が広がっている。社名を変更する考えは。

 ヤマハ発動機から英語名のヤマハ・モーターに変えようという声が社員やOBの一部にあるのは事実。ただ、ダイハツ工業やトーハツなどの社名から発動機が消え、今はうちしか残っていない。漢字が好きな人も多く、今のところ社名はこのままにする。

(聞き手・山田晃史)

 

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