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静岡経済 インタビュー

2019年 こうみる ヤマハ・中田卓也社長

 産業構造の変化や人手不足への対応をはじめ、さまざまな課題を抱えて迎えた平成最後の二〇一九年。県内の主なトップに経済や事業の見通しを聞いた。

◆「安心」超え「最高」を

「最高のブランド力をつくり上げていきたい」と意気込むヤマハの中田卓也社長=浜松市中区で

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 営業利益率12%を掲げた三年間の中期経営計画が二〇一九年三月期で終了するヤマハ。中田卓也社長(60)は計画の目標の達成に自信を示した上で、「『安心』を超えた『最高』のブランド力を構築したい」と今後を見据えた。

 −一八年の社業は。

 米中貿易摩擦の影響を心配したが、米国ではビジネスも堅調に推移しており一安心だ。中国は今までアコースティックピアノが主力で、その他の楽器はそれほどでもなかったが、ピアノで培ったブランド力が全体に良い影響を与えている。電子ピアノ、ギター、加えて管楽器も好調だった。

 −中期計画が終了する。

 目標はおおむねクリアできそうだ。今の計画を立てるに当たり中長期的な目標(営業利益率20%)を打ち出した。これまでの次元を超えるため、どのような仕事をするかが今後も重要だ。

 −一九年の所信は。

 ブランド力を再構築したい。私が入社した時は「ヤマハは高価だが良い品」という評判があったが、今はどうか。「安心」ではあっても「最高」という感覚は弱いのではないか。皆で最高のブランド力をつくり上げていきたい。

 −国内市場の状況は。

 楽器や音響機器などのハード事業に限れば、売り上げベースで世界全体の二割を切っている。人口が減少する中、子どもだけでなくシニアに焦点を当てたい。これからでも楽しめることを提案できれば、新たな顧客になってくれる。

 −オリジナル管楽器「ヴェノーヴァ」や、アンプなしでも音響効果が得られる「トランスアコースティックギター」など、個性的な製品の発売が続く。

 いろいろな楽器をつくる技術力をつなげることで、新しい気付きが生まれる。それが結実してきた。一人でも多くの人に音楽や楽器の楽しさを分かってもらいたいという狙いもある。

 管楽器の専門家に言わせると、ヴェノーヴァの構造は進化どころか、原始的な方法に戻っているという。でも、安くて、楽しめる人が増えるならいいじゃないかと考えている。

 −研究・開発組織を集約した「イノベーションセンター」の業務への効果は。

 部門を超えた会話が活発になってきた。気付きや他部署との融合が生まれてくると期待している。

 −昨年七月に一般公開を始めた展示施設「イノベーションロード」は、来館者が一万人を突破した。

 ありがたいことだが、まだスタート地点。さらに発展させていく。楽器を「演奏に使う物」から「愛すべき物」と感じてもらえるように、生産工程や技術を見せる展示を充実させたい。

 −ブランドを共有するヤマハ発動機との今後は。

 協業を進めて楽器の幅を広げたい。私の解釈だが、ギター好きはバイク好きであることも多い。アウトドアは発動機の商品で楽しみ、インドアではヤマハの楽器を弾いてもらう。事業分野が全く違うからこそ、シナジー(相乗効果)があると思っている。

(聞き手・鈴木啓紀)

 

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