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静岡犯罪被害者遺族の苦しみ今も 葵区で講演会
犯罪被害者が抱える苦痛や支援の大切さを知ってもらおうと、静岡犯罪被害者支援センターは静岡市葵区で講演会(中日新聞東海本社後援)を開いた。 犯罪被害者遺族の加藤裕司さん(66)=岡山市=を講師に迎え、約二百人が耳を傾けた。八年前、娘のみささん=当時(27)=は元同僚の男に性的暴行され、金品も奪われたうえ、殺害された。男は二〇一七年に死刑が執行された。 みささんは、交際相手から十七回目のプロポーズをへて婚約中だった。その日は朝になっても帰ってこなかったが、婚約者といるのだろうと考え、事件とは疑わなかった。一週間後、警察から、みささんの遺体の一部が発見されたことを聞いた。「窒息するかのような圧迫感だった」 裁判には、男の精神疾患を指摘されても理解できるよう、医学書を読み込んで臨んだ。被告の死刑を望んだ。「私たちは、犯人によって無期懲役にされたも同じ。一番つらいのは、助からないと悟った瞬間、娘が何を思ったかを考えるとき。助けてやれなくて申し訳ない」。父親の苦しみはいまも癒えない。 (保坂千裕) PR情報 |
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