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出所者雇用、どう支える 実践はわずか15社

協力雇用主としての苦労と喜びを語る小田桐社長=県庁で

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 罪を犯した人を民間会社が雇用して、立ち直りを支援する、二〇〇六年に始まった国の「協力雇用主」制度。県内の登録者数は現在三百七十四社で、一五年から百社ほど増えた。一方で、そのうち実際に刑務所出所者らを雇用している事業者数は、ほぼ横ばいで、わずか十五社に留まる。トラブルを懸念して実雇用をためらう事業者も多く、雇用主側の不安をどう払拭(ふっしょく)していくかが課題となっている。

 県庁で二十五日に行った、大津保護観察所などが主催する研修会。協力雇用主に登録している事業者ら百人が参加し、実際に刑務所出所者らを雇用している県内企業の社長が、経験談を語った。

 十年ほど協力雇用主を続けている建設会社「オーエスティー」(大津市)の小田桐重孝社長は「社会復帰して間もない人に対して、一緒に働くメンバーの反応はさまざま。最初の方は、周囲が目線を下げる(マナーなどで寛大に接する)ことも必要になる」と強調。「出所後の住まいの確保という物理的な居場所だけでなく、仕事で役割やポジションを与え、社会の一員であることを実感してもらうことが大切」と訴えた。

 法務省によると、保護観察終了者のうち、無職者の再犯率は、有職者の三倍に上る。刑務所再入所者の七割は、再犯時に無職だという。このため、国は再犯防止の一環として、協力雇用主制度の拡充を推進。登録者数は現在二万二千社で、一五年から一万社増えた。一方で、そのうち実際に雇用しているのは5%程度。県内でも同様の傾向だ。

 雇用主側の負担を軽くしようと、国は奨励金を支給したり、公共工事などの入札で雇用実績を評価したりする制度を導入した。県内でも、雇用主の不安軽減を図ろうと、雇用主会の研修で、トラブルなどが起きた際の対応について情報を共有。また、保護司会などと連携して、雇用する側と雇用される側の効果的なマッチングを模索する。

 大津保護観察所の担当者は「立ち直りのために大切なのは、居場所と(頼りにされる)出番。再出発する本人の就労意欲を高めるとともに、協力雇用主の方と連携して、無職者を減らすよう取り組んでいきたい」と話している。

 (芳賀美幸)

 

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