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県内の宿泊施設、稼働率低下 京都で急増、影響も

JR京都駅近くに今年オープンしたホテル=京都市南区で

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 京都から近いことを売りにしてきた県内の宿泊施設で、客室の稼働率の低下が目立ち始めている。JR京都駅周辺を中心に、京都市内に宿泊施設が急増していることが影響しているとみられる。客足の減少を防ごうと、県内の宿泊施設の中には「京都頼み」の集客からの路線転換を模索する動きもある。

 京都市の統計によると、同市内のホテルや旅館などの宿泊施設の総客室数は、二〇一六年ごろから急増。今年四月時点の調査では、前年比20%増の四万六千百四十七室となった。

 JR大津駅から近いあるホテルでは、今年六月ごろから客室の稼働率が5〜7%ほど低下した。ホテルの担当者は「京都にホテルが増えた影響としか考えられない。京都の方が大津より値段が安いケースも出てきており、今後は価格の見直しもあり得る」と話す。

 大津市内の別のホテルでは、稼働率は保っているものの、今年に入り客室単価が平均して一割ほど下がったという。担当者は「以前ほど京都観光が目的のお客さんが目立たなくなってきた。京都のホテル増加の影響を受けているのではないか」と推測する。

 観光庁の調査によると、滋賀県内の宿泊施設の客室稼働率は一六年の57・6%から、一八年は50・8%に低下。一方、京都府内の稼働率は一六年が67・3%で、一八年は64・7%。客室数が大幅に増えているにもかかわらず、稼働率は微減にとどまっており、県観光振興局の担当者は「これまで『京都で部屋が取れないから』という理由で滋賀に来ていた人が、減っている可能性がある」と指摘する。

 京都での宿泊施設の増加を意識し、滋賀ならではの魅力を打ち出す集客を強化してきた施設もある。びわ湖大津プリンスホテル(大津市におの浜)では一六年ごろから、琵琶湖を生かした自然体験などのPRに力を入れ始め、今では宿泊者の約三割を外国人観光客が占める。

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 外国人宿泊客には、県内の白鬚神社(高島市)やびわ湖テラス(大津市)などが、訪問先として人気だという。同ホテル事業戦略マネジャーの杉野嘉一さんは「京都は訪れたことがあり、飽きている人もいる。最近は『滋賀に来たい』と思って、選んでもらえるようになってきた」と話す。

 雄琴温泉(大津市)内の宿泊施設も、以前は「京都から最も近い温泉」として売り出してきたが、一年ほど前から客足が一〜二割減少。最近では「延暦寺から近い」ことを強調したり、坂本城(大津市下阪本)を築いた戦国武将・明智光秀を主人公にしたNHK大河ドラマ「麒麟(きりん)がくる」が来年から放映されるのに合わせて、「坂本に近い」とPRしたりしているという。おごと温泉観光協会の隅田詔子さんは「特に外国人観光客は、『京都から近い宿泊施設』として選ぶ人も多かった。これからは、『滋賀の温泉』として探して来てもらえるようにしたい」と意気込んでいる。

 (森田真奈子)

 

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