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武家屋敷跡、子孫が長浜市に寄付へ 国史跡・下坂氏館跡

下坂氏館跡の主屋=長浜市下坂中町で(長浜市提供)

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 長浜市下坂中町の国史跡・下坂氏館跡の主要部が十一月に下坂氏の子孫から市に寄付される見通しになった。同館跡は中世の平城跡で、江戸中期築造の主屋や一族の菩提(ぼだい)寺・不断光院(ふだんこういん)などの建物に加え、戦国時代に完成したとみられる二重の土塁や堀が現存しており、全国的にも非常に希少とされる。来年四月から一般公開の予定。

 下坂氏は、南北朝から戦国時代にかけ、京極氏や浅井氏に仕えた地侍で、現在の下坂中、大戌亥、高橋、下坂浜の四町にあたる「下坂庄(しもさかのしょう)」の代官を務めた。

 寄付を申し出たのは現当主の下坂幸正さんら。数十年前まで先祖代々住み続け、修繕を繰り返して維持してきた。受け継いだ財産を後世に残し、学術研究や地域振興に寄与したいと決断したという。

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 寄付されるのは、国史跡指定範囲のうち、主屋などがある二重の堀と土塁に囲まれた主郭部と不断光院がある副郭部の一部の計約八千五百平方メートル。

 同市歴史遺産課は、「中世の武士の館が菩提寺などとともに現存するだけで珍しい。土塁など周囲のたたずまい全体も残っているのは奇跡的」とし、全国でも他に見られないという。

 建物は門などを含め計十一棟。不断光院が一七一五(正徳五)年の築造で、他も十八世紀ごろとみられ、建築当時の部材が残っている。主屋と不断光院などは葦葺(よしぶ)き、主屋は入り母屋造り。絹に描かれた法然上人像など美術工芸品十七点もある。

 寄付後の管理は、地元団体に委ねられる予定。すでにトイレなどは整備されており、市は地元文化財の核施設としてまちづくりや観光振興に生かす方針。本格的な時代劇のロケにも活用できるという。

 同課の太田浩司市学芸専門監は「石田三成が幼少だった頃の武士の生活空間が残っている。踏み入れると中世に戻った感じがするのでは」とし、「現在まで残ったのは、下坂家の強い思いがあってこそ。大変感謝している」と話した。

 (川添智史)

 

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