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首都高やトンネル建設下支え 湖南のサン機工

「一つ一つがこんなに大きい」とカッタービット(中央)を指し示す青井社長。左右はドリル用のロックビットなどの製品=湖南市石部口のサン機工で

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 鉄道や道路建設でトンネルを掘削する、巨大なシールドマシン。その最先端に多数取り付けられ、土を削り岩を砕く「カッタービット」の製造で、国内のほぼ半分のシェアを誇るのが、湖南市石部口の「サン機工」だ。低コストで高い技術を武器に、首都高速や東京湾アクアラインなど、名だたる道路などの開通を下支えしてきた。

 トンネル掘削の際は、建設業者が機械メーカーにシールドマシンを発注。さらに受注した工具メーカーが、刃にあたるカッタービットを同社に発注する。青井春夫社長(68)は「いわば裏方の裏方。掘る場所によって土質が違うので、全てオーダーメードです」と話す。

 もともとは義父の木村清三さんが、京都で創業した町工場。当初はねじの二次加工を手掛けていた。株式会社に改組後の一九七〇年代前半、掘削ドリルに取り付けるロックビットをどこよりも安く製造し、業界の信頼が高まったという。

 その技術は、現在主力のカッタービットにも受け継がれている。「経験の積み重ねと設備の自動化で、常に期待に応えてきた」と青井社長は胸を張る。

 「銀ろう付け」も同社が誇る技術の一つ。刃先の超硬合金(タングステンとコバルトの合金)と、台金(だいがね)のスチールという異材種の接合に欠かせない。七〇〇度の高温での接合は手作業で、三人の社員がその技を持つ。スチール部分がすり減らないようコーティングする「硬化肉盛り溶接」は、ロボットも作業を担う。

 国内外の鉄道トンネルや、東京五輪に向けた道路網整備など、カッタービットの需要はますます増えそう。一方で、中国など海外企業の進出は脅威だ。青井社長は「土の掘削は絶対になくなることはないが、土木だけにとどまらず、切削工具など特色ある分野を探してチャレンジしていきたい」と気を引き締める。

 (築山栄太郎)

 <サン機工> 1950年に京都市左京区で創業、55年に有限会社木村鉄工所設立。70年に現在地に移転し、株式会社化。現在の社名になった。資本金4350万円。従業員45人。年間売上高は約6億円。

 

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