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誠信の交わり 隣国への思い(12) 「平和の道」たどってみて

◆朝鮮人街道を探した愛荘町立歴史文化博物館元館長 門脇正人さん(76)

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 彦根東高校新聞部の顧問だった一九九〇年、当時はまだ知名度が低かった「朝鮮人街道」の道探しを部員と一緒に行い、同校の新聞に発表。後に書籍「『朝鮮人街道』をゆく−彦根東高校新聞部の消えた道探し」(サンライズ出版)にまとめました。

 野洲市小篠原から彦根市鳥居本町まで約四十キロ続く朝鮮人街道について、地元の人は名前は知っていても、県道2号線のことだと思っている人も多く、実際に朝鮮通信使が通った旧道を正確に知っている人はほとんどいませんでした。古い地図の調査に加え、新道をつくるために家を動かした地元の人などに聞き取りを重ねながら、旧道の道のりを少しずつ探しました。

 そうして完成させた街道の地図は国内だけでなく、韓国の歴史学会でも評判を呼びました。街道沿いにあり、通信使が宿泊した宗安寺(彦根市)では、寺を訪れる韓国人観光客に地図を配り、喜ばれたと聞いています。

 調査した当時は、朝鮮人街道は通信使が通った道ではなく、道路工事などで労働者として日本に来た朝鮮人が使っていた道だと勘違いしていた人も多かった。本のタイトルを「消えた道探し」としたのは、単に道がなくなっただけでなく、平和の道があったという歴史が植民地支配によって消されたという意味も込めたかったからです。

 今では地元の自治体も、朝鮮人街道を古道として宣伝するほど知られるようになり、街道の各所には案内表示も設けられていて、誰でもたどれるようになっています。友好への熱い心を持ちながら街道を歩いてみて、両国がちゃんとした付き合いをしていた歴史の事実を冷静に押さえてほしいです。 (森田真奈子)

 

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