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病院再編提起に反発 厚労省公表、5院「実情反映せず」

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 厚労省が、診療実績が乏しく再編・統合の議論が必要とする全国の公立病院や日赤などの公的病院を九月下旬に公表し、県内では五つの病院が対象となった。二〇一七年度の調査時からの状況変化もあり、自治体や病院側は「これまでの改革努力や地域の実情が反映されていない」「誤解のある公表で、病院がなくなるのではと住民を不安にさせる」などと反発する声が上がっている。

 厚労省の公表は、一七年度のデータを基に、重症患者向けの「高度急性期」、一般的な手術をする「急性期」に対応できる千四百五十五病院を調査。がんや救急医療といった九十九項目の診療実績と、競合する病院が「車で二十分以内」の場所にあるかを分析し、病院名を公表した。県内では、滋賀病院(大津市)、大津赤十字志賀病院(同)、守山市民病院(守山市)、能登川病院(東近江市)、湖北病院(長浜市)が対象となった。

 だが、能登川病院は経営難から、一五年から民間に運営を委託する指定管理制を開始している。今回の公表では、公設民営の病院は本来、対象となっていなかった。市の担当者は「突然の公表に戸惑っている。指定管理の導入後は、患者数も右肩上がりで増えていて、業績の改善は地域の皆さんにも認めてもらっている」と話す。

 湖北地域最北の総合病院である湖北病院は、へき地医療と地域包括ケアシステムの拠点となっている。田中正樹事務局長は「今回の分析には、診療実績に表れない地域での役割が考慮されていない。一律の基準だけで指名されるのか」と反発。同病院は地域の人口減を受けて一八年度末に病床数を十三床減らしており、「医療体制の再編は一定程度、進んでいると言える」としている。

 大津日赤志賀病院の担当者も「当院は重篤な病気よりも、地域の人が日常的な軽い病気で来ることが多いので、高度医療の実績が少なくなるのは当たり前」と話し、今後の地域医療構想調整会議で方向性を検討していくとした。

 地域で適切な医療提供体制を実現するための医療機関の機能分化や連携を巡っては、県医師会や県病院協会などが参加する調整会議で、県内の七つの区域ごとに課題の検討を進めている。

 県の担当者は「実績などの数字だけでなく、地域の実情を考慮しながら引き続き協議していきたい」としている。

◆知事も会見で苦言

 今回の厚労省による公表に反発する全国知事会など地方三団体は、総務、厚生労働両省との間で協議を実施。厚労省は全国各地で順次、公表の目的などに関する説明会を行っていく。

 三日月大造知事は十五日の定例会見で「公表された病院すべてに再編統合が必要という、誤解をもって受け止められかねない。公表のやり方に違和感を持った」と苦言を呈し、今後、行われる議論について「各自治体の事情が加味されるよう期待したい」と述べた。

 (芳賀美幸、森田真奈子、川添智史)

 <地域医療構想> 団塊世代が75歳以上となる2025年に向けて病床の機能分化と連携を進めるため、都道府県が医療機能ごとに必要なベッド数を推定。現在は看護師を手厚く配置し医療費がかかる「高度急性期」や「急性期」のベッド数が多い一方で、高齢者にニーズの高いリハビリ向けは不足している。県内では、17年のベッド数から、「高度急性期」と「急性期」で計2270床を削減する一方で、リハビリなどを行う「回復期」は2000床増やす方針を掲げる。

 

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