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誠信の交わり 隣国への思い(10) 朝鮮人街道 地元の誇り

八幡教育会館前理事長 中田全一さん(75)

写真

 「朝鮮人街道」をご存じの人は、どれだけいるでしょうか? 江戸時代に朝鮮王朝の外交使節団「朝鮮通信使」が日本を訪れた際に、県内を通った道のことです。中山道を分岐点にして、野洲市行畑から彦根市鳥居本町まで、距離にして約四十一キロあります。

 私は二〇一七年夏、車を使って、延べ一週間かけて全行程を走破しました。要所ごとに止まっては、写真を撮影。その成果を同年冬に八幡教育会館(近江八幡市)で発表しました。企画した動機は、街道を知らない人が増えているのではと感じたからです。江戸時代に通信使が実に十回も県内を通ったにもかかわらず、です。

 かくいう私も、実はそれほど詳しいわけではありませんでした。「『朝鮮人街道』をゆく」の著者、門脇正人さんの話を聞いて興味を抱き、その本を頼りにして街道をたどりました。本が発刊された一九九五年当時から、道が付け替わった場所もありましたが、所々に立派な寺や神社があり、発見もたくさんありました。佐和山を越え、鳥居本町で中山道と再び合流する地点に到着した時は、感慨深いものがありました。

 「朝鮮人」という言葉は、(植民地支配時代に見下していたような意味を含む)差別用語のように捉える人もいるかもしれません。それが地名の公用語に使われているのは、国内でここだけと聞きます。ですが、地元の人は決して差別意識からではなく、むしろ親しみを持って、そう呼んできたのだと思います。

 朝鮮人街道は、われわれの誇りです。この立派な街道を使って、いつかマラソン大会が開けないものかと、夢見ています。(平井剛)

 

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