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ごみ問題の対策に京大院生が奮闘 近江舞子中浜水泳場

成田さん(左)が設置した、分別できるごみ箱。中は分別されているが、あふれた部分は分別が無視されている=大津市南小松の近江舞子中浜水泳場で

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 大津市南小松の近江舞子中浜水泳場で、観光客が分別せずに大量のごみを捨て、処理を担う自治会が対応に苦慮している。そんな中で、京都大大学院地球環境学舎の修士2年、成田茉優さん(24)らが今年から、分別方法が分かりやすいごみ箱を設置するなど試行錯誤を重ね、地元自治会と一緒に対策に取り組んでいる。

 中浜水泳場の一帯は白砂青松で知られた景勝地で、浜辺には売店や旅館が立ち並んでいる。琵琶湖で遊泳する客も多いが、特に浜辺でバーベキューができるとして人気で、若者や外国人客が多く訪れる。そのため、バーベキューで出た生ごみやカン、ペットボトルなどがポイ捨てされたり、分別されずにごみ捨て場に山積みにされたりしてきた。

 ごみの処理をするのは地元の自治会。大量のごみを分別し、産業廃棄物として捨てる必要があり、地元住民をアルバイトに雇って処理している。だが、その担い手も七十〜八十代がほとんどで、人手が不足。連日、処理に従事する八十代の男性は「若い人はやりたがらないし、他にやり手もいない」と漏らす。

 ごみを集積する場所には一年中、不法投棄もある。たんすや衣装ケースといった、浜には関係のない粗大ごみが放置され、男性は「ごみを集積していると知って、捨てに来る人がいるのだろう」と推測する。処理費用は自治会費から出しており、自治会の男性は「白砂の維持にもお金が必要なのに、ごみの処理で手一杯だ」とため息をつく。

ポイ捨てされたごみが目立つ砂浜=大津市南小松の近江舞子中浜水泳場で

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 比良山地域の生態系や防災の研究に訪れていた成田さんらは、こうした状況を知り、今年五月から大学の研究室で、ごみ問題に取り組み始めた。だが、自治会内でもバーベキュー客から収益を得る住民や、浜から離れた地区に住む住民など、立場が複雑に異なり、対策をまとめるのも容易ではない。手始めに、ポイ捨てされたごみの清掃に取り組んだが、すぐに別のごみが捨てられて実効性は小さかった。

 そこで成田さんらは、浜に設置されているごみ箱に着目。手作りで仕切りをつけ、分別方法を書いた看板を貼り付けたところ、来場客が多い夏休み期間でも、ある程度分別されるようになった。ごみ箱の場所を書いた地図も作り、客に配ると、ポイ捨ても減った。

 それでも、小さなごみは分別されずに散らかったまま。どの分別にも属さない、コンロや箱といった大きなごみは、浜に放置されてしまった。

 そこで、成田さんらの取り組みに連動して自治会でも、バーベキューをする客から一人二百円の「白砂青松清掃協力金」の徴収を開始。協力金を、大きなごみの処理費用などに充てることにした。こうした効果から、ごみ問題が徐々に好転してきたという。

 それでも、成田さんは「まだ課題は多い。バーベキューの規制など、浜全体の管理を見直す必要がある」と分析する。「最終的には、ごみの持ち帰りが徹底されることが理想。これまでの調査結果を踏まえて、来年度に対策を実施したい」と語り、九月に地元自治会と浜の管理方法や対策を話し合う予定だ。

 (岡屋京佑)

 

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