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在日外国人支援、安徳烈さんしのぶ 4日など、大津で功績伝える講座

在日外国人の支援に尽力した故安徳烈さん=2016年、滋賀朝鮮初級学校で(遺族提供)

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 外国人差別と長年闘い、県内の在日外国人コミュニティーで指導的な役割を担ってきた在日朝鮮人の安徳烈(アンドンリョル)さん=近江八幡市丸の内町=が、4月に73歳で亡くなった。安さんを悼みながら、残した功績を振り返る講座が4日と9月8日に、大津市内で開かれる。関係者は「人権保障を訴え、外国人だけでなく全ての人が生きやすい社会にしようと『社会益』を大切にした人だった。安さんのあきらめなかった姿勢を、多くの人に知ってほしい」と願う。

 安さんは一九四六年、在日朝鮮人二世として旧甲賀町で生まれた。二十〜三十代にかけて在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)滋賀県本部の専従として活動。八〇年代初頭に総連を辞めた後は、近江八幡市内の建設関連会社に勤めながら、在日外国人の支援に取り組んだ。

 七〇年代には、外国人が公営住宅に入居できない問題や、朝鮮学校に自治体の補助金が支払われていない状況に対し、「地方自治に国籍条項があるのはおかしい」と声を上げた。補助金問題では、県庁前で三日間にわたってハンガーストライキをした末、行政を動かした。

 八一年のびわこ国体では、外国籍生徒が参加できるように働き掛けて実現。九〇年代には、外国籍を理由に国民年金への加入を拒絶された高齢者の問題に取り組み、県が全国で初めて在日外国人の高齢者を対象にする福祉給付金制度を設けたことにつながった。

 安さんと交流のあった滋賀朝鮮初級学校(大津市)の鄭想根(チョンサングン)校長(61)は「外国人が差別されて当たり前とあきらめていた時代に、『同じ人間として在日も権利を持つんだ』という発想を持ち、日本人の友人もつくって行動に移した人だった」と振り返る。

 九〇年に入管難民法が改正されて以降は、県内に定住し始めた日系ブラジル人らとの共生に尽力。教員らでつくる在日外国人の教育を考える会(在外教)・滋賀や、外国人の子どもの学習支援をする教室「ワールドアミーゴクラブ」(近江八幡市)の立ち上げに携わった。

 在外教・滋賀の清原勝さん(58)は「安さんは、ブラジル人が、在日朝鮮人が昔受けていたものと似たような差別や排除に苦しんでいることを嘆き、自分事のように考えて支援に取り組んでいた」と話す。

 講座は在外教・滋賀と滋賀朝鮮初級学校が主催。安さんを知る県内の教員や研究者ら十人が思い出を語り、今後の多文化共生社会について考える。

 四日は大津市梅林の県教育会館で午後二時から、九月八日は同校で午前十時から。参加無料で予約不要。(問)清原さん=090(3976)8032

 (森田真奈子)

 

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