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「書道は帝王学」論考を本に 多賀の書家・松宮さん

「書と思想−歴史上の人物から見る日中書法文化」を手にする松宮さん=多賀町多賀で

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 多賀町の書家、松宮貴之さん(47)が、書籍「書と思想−歴史上の人物から見る日中書法文化」を刊行した。松宮さんは「書道が社会や歴史の中でどう位置付き、変貌してきたか考えてほしい」と話している。

 松宮さんは二〇一一年から七年間、芸術新聞社が発行する雑誌「墨」で、「帝王学の書相」と題した論考を連載していた。今回の著書は、論考を書籍化したものだ。

 帝王学は、皇帝や指導者として必要な素養を身につけるための修養。新著では書道を帝王学として捉え、日本と中国の歴史上の人物と、それぞれの書道作品を紹介している。

 全体を五章で構成。最澄や空海、千利休、蒋介石や毛沢東など、日本と中国の歴史的人物を年代ごとに取り上げた。

 その一人が、聖徳太子だ。太子の肉筆ともいわれる法華経の注釈書「法華義疏(ほっけぎしょ)」を例示し、日本における法華経の源泉は、「書」に象徴される帝王学が支えていると説明。法華義疏がなければ、「王権としての仏教は軟弱になっていた」と訴えている。

 書道は古くから中国で発達し、隋から清の時代にかけての官吏登用試験「科挙」でも採点の要素になるほど、教養としての意味合いが強かった。松宮さんは、現代では書道を芸術と捉える傾向が強いとし、「社会の中で書が大きな役割を果たしてきたことを知ってほしい」力説。「書道と、教養や社会の関係を考えてもらえたら」と話した。本はB6判、三百二十一ページ。二千円(税別)。

 (安江紗那子)

 

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