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甲冑や旗に武士の切実な願い 彦根城博物館「武具の意匠展」

井伊直定が用いたとされる「菖蒲形前立付兜」=彦根城博物館提供

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 命がけで戦場を駆け抜けた武士たちが、自らの甲冑(かっちゅう)や旗に施した多様な意匠に注目したテーマ展「武具の意匠−武士の願いと祈り−」が十九日から、彦根市の彦根城博物館で始まる。八月二十日まで。

 馬具の鉄地に象眼で表したトンボや、甲冑の兜(かぶと)にショウブの葉をかたどった前立て。これらは単に、デザイン性に富んでいるわけではない。トンボは前にのみ進む特性から「退かない」という縁起の良さにあやかり、ショウブは武道、武勇を重んじる「尚武」に掛けている。

 動植物の他にも月や太陽、星といった天体や、武功を主張するために家紋をあしらうなど、意匠は多岐にわたる。いずれも背景には、生死をかけて戦った武士たちの切実な願いや祈りが込められている。

 テーマ展では「加護を祈る」「意味を掛ける」など四テーマに分け、多数のトンボが飛び交う「勝虫真鍮象嵌鐙(かつむししんちゅうぞうがんあぶみ)」や江戸時代中期の彦根藩主井伊直定が用いたとされる「菖蒲形前立付兜(しょうぶなりまえたてつきかぶと)」、軍神の名前を入れた縦二・六メートル、幅五十五センチの「八幡大菩薩(はちまんだいぼさつ)旗」など、主に南北朝から江戸時代までの二十四点を展示。多賀大社所蔵の「龍猪蒔絵(まきえ)二枚胴具足」もみられる。

多数のトンボが飛び交う「勝虫真鍮象嵌鐙」=彦根城博物館提供

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 学芸員の古幡昇子さんは「意匠の裏側に、武士たちがどんな願いを込めていたのかを伝えたい」と話している。

 期間中無休。午前八時半〜午後五時(入館は四時半)。入館料は一般五百円、小中学生二百五十円。七月二十日午前十一時と午後二時からは古幡さんによるギャラリートークもある。(問)博物館=0749(22)6100

 (稲垣遥謹)

 

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