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ふなずしの「飯」が便秘に効果 粉末事業化へ資金募る

ふなずしが入っている「飯のだし」のめんつゆなどを手にする大和さん=大津市の「放課後等デイサービスなないろ」で

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 大津市内の自閉症などの児童、生徒らが利用している「放課後等デイサービスなないろ」(同市大平)が、郷土食「ふなずし」をつくるときにできる発酵米「飯(いい)」の残材を活用して、便秘の解消に効果がある粉末のだしを開発した。「飯」は、粉末化させて服用すると腸の活性化に効果があるとして、製法について特許取得を目指している。すでに新会社を設立しており、七月一日から販売を始める。

 商品名は「飯(いい)のだし」でふなずしの飯の部分を乾燥させ、粉末化したもの。県内の七つのふなずし店や個人から、ふなずしを漬ける時に樽(たる)の底などに余る「飯」の提供を受けている。食事の際、粉末を炒め物やごはんにひとつまみ入れると、腸内環境の改善に効くという。

 施設を利用する、ある自閉症の男児との出会いが、商品が生まれるきっかけだった。二年前、当時小学一年生だった男児は強い便秘に悩まされていた。いつも下腹部が膨れ上がり、苦しそうな表情をしていた。排便が苦手で、上手に用を足せないこともあり、おむつが手放せなかったという。

 同施設では夏休みや土曜日に給食を提供しており、男児の体調を案じた代表の大和幸子さん(54)が「消化に良いと言われる発酵食品を、給食で提供しては」とふなずしの飯の部分をごはんに混ぜることを考案。一〜二カ月続けると、男児のおなかの張りが解消し、排便の習慣も改善したという。

 精神的な緊張などに悩む障害児らは便秘になるケースが多く、同施設でも小学生から高校生までの二十六人中、三割ほどが便秘の傾向がある。他の児童らにも「便秘が解消した」「便が軟らかくなった」と効果が見られ、保護者から「自宅でも使いたい」と声が上がり、粉末を作り始めた。

 大学教授らに相談しながら研究を続ける中で、大和さんは「生の飯よりも、粉末化した飯の方が便秘解消に大きな効果がある」と気付いた。事業化に合わせ、乾燥機や冷蔵庫を新設する費用などのため、二十八日までクラウドファンディング(レディーフォーで検索)で資金を募っている。

 粉末は、認知症の高齢者らの便秘防止にも効果が期待できるという。大和さんは「子どもの健康につなげるだけでなく、ふなずしという食品の素晴らしさを知ってもらう機会にしたい」と話している。二十グラム入り三千円(税別)で販売。粉末入りめんつゆや塩こしょうもある。(問)なないろ=077(509)9077

 【土平編集委員のコメント】今日紹介したのは、滋賀県全域を対象にした滋賀版の記事です。滋賀県長浜市で勤務していたころ、自宅でふなずしを作っているという人に、何人か出会いました。「それぞれの家庭で微妙に味が違う」と聞き、「さすが郷土食」と感心したものです。私はどちらかというと苦手でしたが「お茶漬けにすると食べやすい」と、親切に教えてくれる人もいました。さて、そのふなずしに思わぬ(?)効果があることが分かりました。めんつゆが大好きな私としては、粉末入りめんつゆが気になるところです。

 (作山哲平)

 

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