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空き家登録制度、県内いまだゼロ 開始1年半

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 一人暮らしの高齢者や低所得者らの住宅を確保するため、国が空き家の登録制度を始めてから、一年半がたつ。だが、県内で登録された住宅はいまだゼロ戸。全国では島根県を含めて、ゼロ戸は二県だけとなった。県は今月から新たな対策に乗り出したが、国全体でも登録数は低調で、どこまで広がるかは未知数だ。

 制度は、二〇一七年十月に施行された住宅セーフティネット法に基づき新設。高齢者や低所得者、障害者ら「住宅確保要配慮者」が入居を希望した場合、家主が断らない住宅を、都道府県や政令市、中核市に登録してもらう仕組みだ。登録した家主は、空き家を改修する際に一九年度まで、国から一戸当たり上限五十万円の補助が受けられる利点がある。

 登録数は徐々に増えているが、全国の総登録数は三月二十八日時点で八千二百七十九戸と、二〇年度までに国が掲げる目標値十七万五千戸の4・7%にとどまる。県内では登録がなく、住民の生活支援を行う企業やNPOなどの「居住支援法人」への応募もゼロだ。

 県は登録が低調な理由を「家主が入居者の家賃の滞納や孤独死を懸念し、二の足を踏んでいる」と分析する。県が一三年に行った入居を断られたケースの調査では、断られた人のうち最も多かったのは外国人で、35・2%を占めた。次いで、高齢者25・3%、障害者13・5%、母子・父子家庭10・2%と続いた。

 状況を改善するため、県は今年四月から、家主が登録の際に必要だった手数料(一申請に付き二千四百円)を無料化。二五年度までに登録数千戸を目指す。さらに、居住支援法人となる団体も積極的に募り、指定に向けて調整する。

 県には、高齢者らを民間賃貸住宅に受け入れてもらう支援事業があり、そちらの登録戸数は一八年三月時点で千四百二戸ある。国の要配慮者専用の住宅登録は「床面積二十五平方メートル以上」などの条件があるが、県の事業に登録しているうち八百六十戸程度は条件をクリアしており、国の制度の登録にもつながると期待する。担当者は「できるだけ大家さんにメリットを感じてもらい、皆で支えていきたい」と意気込む。

 ただ、専用住宅に改修する場合、自治体によっては費用の一部を国と一緒に補助する制度があるが、財政難の県にはない。低所得者に家賃を助成する制度はあるが、市町が一部財源を負担しなければならず、導入した市町はまだない。ある不動産会社の代表は「田舎では住宅の需要がなく、登録するまでもない。都市部でも最近は、登録した住宅が利用されず、空き家も増えているようだ」と打ち明けた。

 住宅政策に詳しい平山洋介神戸大大学院教授は「制度は、住宅困窮者向け対策というより、空き家対策になっている。良質な物件は、市場で客がつくので登録されない」と指摘。「改修補助が少額で家主にメリットがなく、これを拡大すべきだ。家賃の助成も自治体の負担をなくし、国が負担すべきだ」と話している。

 (浅井弘美)

 

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