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本当に「医師多数県」? 厚労省新指標、医療現場から戸惑いの声

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 地域間の医師数の偏りを解消するために厚生労働省が二月に公表した「医師偏在指標」で、県は医師数が比較的多いとされる「医師多数県」に分類された。県内の医療現場では医師不足が長年課題となっており、新たな指標について「医師不足の実感と隔たりがある」と、戸惑いの声が上がっている。

 医師不足の指標では従来、人口十万人当たりの医師数が用いられてきた。県の医師数は二〇一六年度の調査で、十万人当たり二百三十一・四人で、都道府県別で三十四位だった。

 一方、新たに公表された医師偏在指標は、同様に人口十万人当たりの医師数をベースとしているが、住民や医師の年齢などのデータを考慮して、指標の数値を算出。県は全国平均の二三八・三を上回る二四三・五とされ、十六位となった。

 県医療政策課によると、県内では高齢化のペースが緩やかであることや、若い医師が比較的多いことが、数値が上がった要因だという。厚労省の分類で、上位十六位までとされる「医師多数県」に位置づけられ、今後は県外から医師を呼び込むことが難しくなる可能性がある。

 この指標に対し、県内の医療関係者からは「実態と合っていないのでは」と批判の声が上がる。指標の数値は県内でも地域ごとに差があり、県南部の大津保健医療圏(大津市)と湖南保健医療圏(草津、守山市など)を除いた地域は、全国平均を下回っている。

 湖北地域のある病院では、脳卒中に対応できる医師が四人しかおらず、一人の医師が月に十日近く、夜間など緊急の呼び出しに応じなければならない状態という。病院の関係者は「本来は倍ぐらいの医師を雇いたいが、募集しても全然集まらない」と話す。

 湖西地域の病院には産婦人科医の常勤医が一人しかおらず、非常勤の医師が交代で勤務することで、緊急時に対応しているという。県健康医療福祉部の角野文彦理事は「診療科や地域によっても状況は異なっており、全体としては、まだまだ医師不足を感じている。今回の新指標に関わらず、医師の確保に取り組みたい」と話している。

 (森田真奈子)

 

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