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障害者配慮、義務付けへ 県議会、事業者ら向け条例案提出

 障害者の要望に応じた配慮を事業者らに義務付ける県の条例案が、県議会二月定例会議に提出された。可決されれば、四月一日に施行される。県が条例づくりの検討を始めて六年、障害者を差別する悪質な例は事業者名を公表するなど、踏み込む内容となった。

 提出されたのは「県障害者差別のない共生社会づくり条例案」。二〇一六年四月に施行された障害者差別解消法では、障害者らに必要な環境を整備する「合理的配慮」を行政機関などに義務付けた。だが、差別の定義があいまいな上、行政機関の職員や事業者が不当な対応をしても罰則規定がなく、実効性に欠ける面があった。解消法を一部補完するのが狙いで、二十九都道府県で制定されている。

 条例案では、行政機関や民間事業者に法律で義務付けられた差別の禁止を個人へと広げたほか、「合理的配慮」を民間事業者や個人にも拡大。自身で相談することが難しい当事者や家族を相談員につなぐ「地域アドボケーター(代弁者)」を、県内に計三十人ほど置く予定で、潜在的な差別を積極的に掘り起こす。差別に関する相談で解決できない場合は、あっせん申し立て、あっせんに応じない場合は勧告、または事業者名を公表するとしている。

 「合理的配慮」の例としては、聴覚障害のある客が食券制の飲食店に入る際、料理ができて呼ばれても分からないという申し出があった場合、店側は身ぶりなどで料理ができたことを伝えたり、それでも気づかない場合は、店員が客の座席まで配膳しなければならない。知的障害のある人が初めて歯科医院に行く際、極度に施術を怖がることを当事者や家族から相談があった場合、その場に慣れるだけの機会を設ける配慮も求められる。

 県障害福祉課の担当者は「差別は障害への無理解、偏見がほとんどだ。条例が差別をした人、受けた人を闘わせるのではなく、皆の理解を促すものになれば」と話している。

 (浅井弘美)

 <障害者差別のない共生社会づくり条例案のポイント>

 ■障害は心身の機能に原因があるのではなく、社会の障壁にあるとする考え方を定義

 ■障害者への差別を個人にも禁止したほか、合理的配慮を事業者や個人にも義務付け

 ■差別に気づかない、声を上げられない障害者に寄り添い、相談内容を代弁する地域相談支援員を設置

 ■差別に関する相談で解決が難しい場合、あっせん申し立てのほか、勧告する。さらに悪質なケースは事業者名を公表

 

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