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御嶽山噴火から5年、遺族らが登山 体力続く限り慰霊

御嶽山噴火から5年を前に行われた山びこの会の慰霊祭で、木札を供える行方不明者の親族男性=王滝村で

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 死者58人、行方不明者5人を出した2014年9月の御嶽山噴火災害から27日で丸5年を迎えるのを前に、遺族や登山愛好者らが26日、山頂などを訪れ、これまでの年月をかみしめながら愛する人への思いを募らせた。

 犠牲者が三十二人と最も集中した山頂の剣ケ峰(三、〇六七メートル)周辺にも、昨年九月に噴火以来初めて通行できるようになった木曽町の黒沢口登山道から多くの登山者が訪れた。

 山頂付近で元同僚を亡くした名古屋市南区の水野育雄さん(69)は、山頂近くの慰霊碑に花束を手向け、「私が誘ってしまい本当に悪かった。あの時、一緒に下山したかったよな」と語り掛けた。

 水野さんは毎年九月二十七日に麓での追悼式に参列する前後に、御嶽山に登り献花している。「まだ噴火を思い出して怖さがあるが、体力が続く限り登って慰霊したい」と話した。

 登山道七合目で山小屋を経営する田ノ上美佐子さんは「ようやく来られた」と涙を流した。四年前、県外の行方不明者家族から「高齢でもう来ることはできない。息子をお願いします」と頼まれた。田ノ上さんは慰霊碑に花を手向け、「早く見つかってほしい。何か手がかりがあれば」とうつむいた。

 慰霊碑で線香をたいて読経した白馬村の僧侶橋本妙智(みょうち)さん(68)は「供養したいとずっと思っていた」。静岡県富士宮市の石川真さん(82)は「噴火当日登る予定を、私用で直前に中止した。自分が犠牲になっていたかも」と手を合わせた。

剣ケ峰の慰霊碑に花を手向ける水野さん=御嶽山で

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 王滝村の王滝口登山道からも、登山者らが追悼の気持ちを込めて九合目を目指した。友人と二人で登山した伊那市西春近の六十代男性は五年前、引っ越してきたばかりの自宅に火山灰が薄く積もっていたのを覚えている。「慰霊の思いを込め登ってきた」と話した。

 七合目の遥拝(ようはい)所では、遺族や行方不明者の家族でつくる「山びこの会」が慰霊祭を開いた。遺族らは地元住民の御詠歌を聞き、木札にメッセージを書いてつるした後、御嶽山に向かって近況を報告。「そちらはどうですか?」と犠牲者に呼び掛けた。最後に、地元住民も参加してシャボン玉を飛ばした。

 

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